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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2006/03/15(水) NO.430号 

BISとの協議が進展(3月15日)

 昨晩10時半過ぎ、フランクフルト経由でバーゼルに到着。新しい、スッキリした空港だ。仏・独・スイス国境に位置し、空港自体はフランス領内にありフランス政府が管理。入国の際も、フランス側出口、スイス側出口、ドイツ側出口、と書いてあり、島国の日本では考えられない事だ。

 今日は、まず朝食をとりながら同行外務省、日銀スタッフと最終打ち合わせ、協議の作戦を固める。11時から、銀行監督委員会(バーゼル委員会)のスタッフから、2006年末以降世界的に導入予定の「新BIS規制(バーゼル2)」の内容等について説明を受けた後、意見交換。日本ではまだ余り知られていないが、導入近くなり、おそらくかなりの議論の対象になろう。正午過ぎ、マルコム・ナイトBIS(国際決済銀行)総支配人を自室に訪ね、BISのアジアにおける役割等について、率直な意見を30分ほど交わす。

 ひとまず別れ、昼食後、日本とBISとの間の協力関係に関わる法的問題について協議開始。法的問題だけに、突っ込んだ法律論を中心に本格協議を行う。冒頭、私から、なぜ先方が考える以上に手間のかかる手続きが必要か、日本の個別事情と我々の提案の有用性、日本政府の積極基本姿勢などについて、できる限り分かり易く説明し、議論の進展を図る。一時間ほどの後、議論を双方の専門家同士の協議に委ね、私はホワイト金融経済局長、ディトス事務局長、モンテペリエ銀行局次長と個別に意見交換に移る。夕方6時過ぎ、再び全体協議に入り、専門家会議での突っ込んだ協議の結果、今後の進め方を含め、概ね双方の意見の一致を見る。今後は、それぞれが役割に応じて汗をかく事が必要だ。

 夜はBISの18階のダイニングルームでナイト総支配人、阿部駐スイス大使など6人で夕食会。毎月開催されるG10総裁会議の前日の夜、お付きも全く入れずに行われる夕食会の会場だそうだ。20数年前に、2回にわたり日銀で関わったBISを初めて訪ね、このような中味のある協議を日本のため、BISのために行う立場になるとは、予想していなかった。感慨深い。