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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2004/07/31(土) NO.357号 

台風10号の下、介護保険を考える

 ホームページでも告知していた通り、第16回フォーラム21「どうする介護保険!?ーー支え合う長寿社会への道ーー」を開催する。が、とんでもない悪条件の下だった。台風10号が結果として、今晩、何とここ松山の上を通ったらしい、という予想外のことが起きるほんの半日前、300人弱の皆さんが参加して下さり、標題にてパネルディスカッションを行った。

 東京からのパネリスト2名のうち一人は、台風で帰京できないことが明らかだったことから急遽東京からTV電話参加。IT技術にも感謝だ。もう一人は、昨晩11時過ぎに岡山まで新幹線でおいで頂き、弊事務所の車で本日午前2時頃松山入りして一泊の上での参加だった。TV電話参加して頂いたのは、NPO法人「湘南ふくしネットワークオンブズマン」理事で、厚生労働省社会保障審議会介護保険部会委員の小川泰子氏。松山までご足労頂いたのは、厚生労働省老健局振興課長の香取照幸氏だ。また、地元からは、愛媛県立医療技術大学教授の宮内清子氏がパネリストとして参加してくれた。丁度昨日、社会保障審議会介護保険部会報告が公表されたばかりで、ベストタイミング。パネルディスカッションの後、会場からの質問も、時宜にかなったものばかりだった。

 まだ当選一回であった頃、自・社・さ政権の下で作られていた福祉プロジェクトチームで私もメンバーの一人として徹底議論し、いくつかの宿題を残したまま一応の案を作って実行に移した介護保険。パネリストと私は、ともあれこの制度の導入は正解で、介護サービス提供ベースの拡充など、それなりの成果を上げつつあることで意見が一致。ただし、予想以上に費用が増大しているほか、いわゆる「老人の囲い込み」や「商業主義」に陥っていないかなど、高齢者の尊厳・自立に結びつかない様々な問題を抱えているのもまた事実との認識だった。これからは、介護予防、痴呆対応、サービスの質向上、負担のあり方の見直し、そして今回審議会でも結論が出ず、両論併記になった、障害者を含めた介護サービス提供対象者・年齢の引き下げ問題をはじめ、幅広い課題について大いに議論して、5年目の見直しが必要な来年の通常国会の法案提出を目指し、年末予算編成時までに具体的な改革案を詰め切っていくべきだ、との認識で一致した。

 飛行機も欠航、瀬戸大橋も通行止めとなり、結局香取課長は松山にもう一泊を余儀なくされてしまった。申し訳ない限りで、お詫び申し上げるとともに心から感謝したい。