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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2004/12/27(月) NO.379号 

道後新名所「道後ぎやまんの庭」完成

 道後温泉に、新たな名所が来年1月1日から誕生する。道後白鷺坂・むかしガラスミュージアム「道後ぎやまんの庭」だ。明治27年に創建された道後温泉本館にはガラスが使われ、最上階の振鷺閣には赤いぎやまんが舶来のきらめきを漂わせていた、という。

 今日、内々のお披露目があった。江戸時代から明治、大正期までのガラス作品約300点が並び、さらに敷地奥には幻想的にライトアップされた庭園とおしゃれなカフェ、そしてガラス製品のショップ。これは女性に受けそう!というのが直感。

 「道後温泉には一回行ったことがある」というせりふを東京などで何度聞くことか。要はリピーターが少ない、ということだ。温泉ブーム、と言われながら、道後温泉はまだいまいちの評価だ。結論的に言えば、全国的に見ても、人が集まる町や温泉は多くの女性に来てもらえるところ、女性が行きたいと思うところだ。そして、女性がこだわるのは「食事」と「趣味」によって選べる楽しい場所が沢山あること。

 松山と言えば、「道後温泉、石手寺、子規博物館、そして松山城」が観光の定番。「売り」が限られ、その他見に行く先も、食べに行くところも、買い物を楽しむお店も、情報がまとまって発信されていない。従って、この程度の町なら一度来れば十分、という訳だ。しかし、松山人としては、松山は本当はもっと魅力的な町だ、と思う。しかし我々として、反省すべきことも、足らざる点も多い。要は、もっともっと多くの「訪れてみたいところ」を沢山作り、それらを結びつけ、その情報をキチンと、皆に伝わるよう努力することだ。「道後温泉のある松山だから人が来てくれる」との姿勢は捨てないといけない。

 町に惹かれるのは、「多くの魅力のシナージー効果」が必須。その意味では、「道後ぎやまんの庭」は確実に女性に評価されそうだが、それ以外にシナージー効果を発揮してくれるものはあるか、だろう。実は、あることはあるが、それを知ってもらう努力、足を運んでもらう努力が足りなかった。例えば、時宗の開祖である一遍上人が松山生まれで、重要文化財の一遍さんの木像は道後温泉の奥の宝厳寺(ほうごんじ)にある、ということを知っている人は松山でもせいぜい1〜2割?私が東京で「一遍上人が松山生まれだということをご存知ですか?」と聞いても、ほぼ100%「知りません」と言われる。しかし、その宝厳寺に行ってもらおうにも、お寺の前の道は、「ネオン坂」という、女性はおろか普通の男性でもちょっと遠慮して歩きずらい町並み。

 道後温泉から石手寺までは歩ける距離だが、歩道もない車の往来の多い危険な道を歩かなければならない。一方、宝厳寺近辺から石手寺までは、裏山沿いに散策道が未整備ながらあるが、こちらも案内の標識もないし、未整備ゆえに一部危険な箇所もある。ここに来て「道後遍路道」との企画でこうした道を整備しよう、との機運がやっと出てきたばかり。

 10月7日早暁、道後温泉駅前で毎年行われる「道後八体神輿の鉢合わせ」は、鳥肌が立つくらい素晴らしいエネルギーのぶつかり合いだ。今年初めてNHKがハイビジョンで全国放映してくれたが、まだまだ知らない人が多い。

 そこで、「道後ぎやまんの庭」落成を契機に、追っかけこうした女性にも受け、そして、シナージー効果も発揮してくれるスポットをもっともっと作る努力が必要だろう。私もできることはお手伝いしたいと思う。