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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2005/01/07(金) NO.382号 

日・タイ経済連携協定交渉、危うし

 今朝、タイの内情に詳しい方と朝食を共にする。日・タイ間の経済連携協定(EPA)交渉が、残された課題を巡り、どうも暗礁に乗り上げつつある感じだ。それが為に、後からスタートした日・マレーシア間のEPAの方が先に決着しそうだ。問題は、そうしたことの実情が、あるいは、タクシン首相をはじめ、タイ側の本音や交渉現場の実態に関する情報が官僚機構の中に留まり、日本の政治リーダーに上がっていないらしいことだ。おまけに、日本の官僚機構が縦割りで、交渉の全体像も政治のトップに伝わっていないのではないか、と心配になってきた。

 これまでも何度かこのような注意信号に遭遇してきたが、その都度外務省などの交渉責任者達に尋ねると、「いや、交渉は順調に進展しています」と私達政治家には説明してきた。しかし、昨秋以降、日・タイ貿易委員会の際、私が聞いたタイ側の参加者の発言、新任のスウィット駐日タイ大使の交渉状況に関する日・タイ議連での率直な報告、私をわざわざ訪ねてきた旧知のタイ外務省ピサン交渉代表の切実な訴え、などを聞いてきて、どうもおかしい、と思っていたが、単なる杞憂ではないかもしれない。

 朝食会後、津波お見舞いに訪ねたスウィット大使からは、そうした現状を裏付ける赤裸々な発言までが発せられ、朝食を共にした方の示唆と合わせ考えると、タイ政府の日本政府に対する失望と焦りは明らかだ。私達政治家には伝えられていない深刻な温度差が日・タイ間にあり、このままでは、本音を語り合える日・タイ友好関係の維持が困難化するに留まらず、東アジアにおける日本の位置づけそのものが深刻な問題を抱える可能性すらある、と感じた。事態打開に政治が行動しなければならないようだ。

日・タイ議連から津波惨禍へのお見舞い

 朝食会後、目黒にあるタイ大使館に、スウィット大使を訪ね、日・タイ友好議員連盟(会長:河野洋平衆議院議長)からのお見舞いを、会長の指示により代表してお渡しする。(ホームページ「ライブレポート」参照)。

 大使からは、お見舞いに対する謝意の表明と犠牲者の身元確認に苦労している事情説明に引き続き、日本政府に対しては、どちらかと言えば資金援助より、津波被害の経験から、町や農地の復興ノウハウを提供して欲しい、とりわけプーケット付近は南部の米どころであり、田んぼの塩害からの復旧への技術支援をお願いしたい、と言われた。私からは、91年の19号台風や昨年の台風により、みかん畑が塩害に遭った愛媛県や愛媛大学、農林水産省に話しを繋いでみよう、と申し上げる。

南海放送にて05年愛媛経済を語る

 東京で新年会に一つ出席後、羽田から飛行機に飛び乗り、16:10松山着。16:55からの南海放送「おかえりテレビウイークエンド・新春スペシャル・2005 愛媛の経済」に生出演(ホームページ「ライブレポート」参照)。

 愛媛県商工会議所連合会 大亀孝裕会頭、日銀松山支店 西川広親支店長、アビリティセンター(株)三好潤子代表取締役、のお三方とご一緒に議論。参加者の概ねの共通認識は、@中国経済からの影響は、愛媛でも大きい、A少子化対策は国家的最優先政策課題、B観光立県と言いながら、「もてなしの心」が我々愛媛に住む者に十分ではない、C産業化可能な科学技術にしても、観光資源にしても、愛媛には資源が豊富ながらネットワーク化による有効活用が不十分、といったところ。