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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2008/08/18(月) NO.479号 

工賃倍増計画をさらに推進の要(8月18日)

 松山市・桑原にある心身障害者共同作業所の一つ「つばさ作業所」に、作業のボランティアに行く。今日は、松山市内某私立幼稚園の若手園長さんも誘い、私のスタッフともども初めての経験をする。

 今日の作業は、東北の大きな葬儀屋さんのための洗面キットの詰め込みだ。全体の作業は、女性用はピンク、男性用はブルーのタオルを折りたたみ、ビニールのケースに入れ、それに既に包装してあるヘア・ブラシ、ヘア・バンド、歯磨きセット、ひげそり、綿棒などを入れ込む。私は、すでにタオルとヘア・ブラシが入ったケースに、さらに残りのものを入れ込む作業を行う。

 部屋には、同じ作業工程を担う障害者もいれば、別の作業をしている障害者もおり、さらに、今日は少し体調がすぐれないが、作業所に来るのが好きで、ともあれずっと横になっている障害者もいる。皆で和気あいあい、障害者を含め冗談を飛ばし合いながら一時間半ほど楽しく作業を行う。

 作業後、二階の障害者のお母さんたちのための作業場を見せてもらった後、障害者、指導者、ボランティアが一緒におやつの時間。バナナを一本とアイスコーヒーをいただきながら歓談。2年間一言も言葉を発しなかった、という女性も、この作業所にすっかり溶け込み、仲間たちと楽しいそうに談笑している。しかし、障害者の収入という面では、厳しい現実だ。洗面キット詰め込みひとつで4円50銭で、障害者だけでの作業ならば、一日いくらにもならず、どうしても健常者のボランティアが必要、という。官房長官時代、底上げ戦略の一環として、「工賃倍増計画」を立てたが、実現は並大抵のことではないことを今日は実感する。

 いかにして障害者の就労努力の結果として、より付加価値の高い物を作り、障害者の所得を増やすことができるか、いろいろな試みがここ松山でもなされつつある。近々、そうした努力を行っている青年たちと意見交換の予定だ。そうした成果をより多くの障害者が共有し、所得増により一人一人が自立する方向にさらに向かい、早期に工賃倍増が達成され、障害者が一層大きな目標に向かうことができるようになることを願う。