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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2008/11/02(日) NO.489号 

郷土愛を育む工夫(11月2日)

 三連休の中日。学校、地域の文化祭やスポーツイベントがそこここで行われており、爽やかな秋の日よりに7〜8カ所お邪魔する。

 印象的だったのは堀江小学校で行われた堀江地区文化祭。手作りの歴史衣装を着た小学6年生達が「やさしきほりえ 富める里」とのテーマで「ふるさと歴史再現カーニバル」を運動場で一生懸命演じていた。「河野一族と細川氏の対立」、「北寺での和睦」、「県下初の路線バス」、「権現温泉」の四つの出し物だった。子供たちの一生懸命の演技に感動し、堀江小学校の校長先生に取り組みの苦労話を聞いてみると、「ここ10年くらい堀江では校区内の史跡に子ども達が出向いて地域の高齢者などから歴史を学ぶことに力を入れてきているんですよ。転勤で来る先生方も、しっかり勉強しないといけないので大変」という。さらに「今年は、そうした堀江固有の歴史や文化を分かりやすく表した『カルタ』を地域と一体となって作りました」と聞く。

 早速、公民館関係者からそのカルタを借りてみる。「ふるさとほりえ 歴史ガルタ」と称し、今年3月にできた堀江公民館、堀江小学校、PTA、堀江地区まちづくりコミュニティ会議の合作によるものだ。読み札の言葉は、地域の子どもや住民からの公募700点余りから「作成委員会」が選び、説明文も書き添えられている。絵札は、堀江小学校の子どもの手によって描かれたものだ。

 「亥の子つき すくすく育つ 堀江っ子」から始まり、テーマは古代から現代までいろいろだ。新しいところでは、「ミウラートヴィレッジ 夢の広がる 美術館」と、三浦工業の故三浦保氏が1998年に会社敷地内に作った美術館に関するものもある。一緒にお邪魔していた堀江出身の若いスタッフに聞くと、「うちでは小学生の二人の子ども達が自宅でこのカルタを二人で楽しんでいますよ」という。なるほど、こういう郷土愛を自然に育むとても素晴らしい工夫があるんだ、と納得する。最近ここ松山では、地域と学校の連携がかなり進んでおり、他の校区でもその土地に根付いた様々な試みが行われている。こうした地域コミュニティーの再構築の努力によって、他県に誇れる"社会総がかりの子育て"が定着しつつある。今日、演技をしていた子供たちの目の輝きが、その努力の成果を物語っていた。