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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2006/07/24(月) NO.438号 

どのような東アジアを構築するか(7月24日)

 昨23日(日)、松山、羽田を経て昼前の成田発の便でシンガポールへ。引き続きインド、ネパールへ回り、30日(日)の朝に帰国する予定。

 第6回日本・シンガポールシンポジウム参加が最初の公式日程。このシンポジウムへは、90年代半ばの第2回会議の際、林芳正、山本一太参議院議員と共に参加、多くの知己を得て以来何度も議論に加わってきたもの。日本・シンガポール友好議連の事務局長を務めることもあって、力を入れてきた。

 まずは、同シンポジウムで知り合ったリム・フンキャン貿易産業相と夕食をともにする。クール・ビズ。尽きぬ話題の中でも特に真剣に議論したのは、今後東アジアのEPA(経済連携協定)を「ASEAN+3(13カ国)」の枠組みで行うべきか、それとも印、豪、ニュージーランドを含む「東アジアサミット<EAS>(16カ国)」で行うべきか、との問題だ。確かにEASの枠組みは昨年の夏に確定し、まだ黎明期ではあるが、昨年12月の第1回EAS会議では、今後東アジア共同体構築にEASが重要な役割を占める、との認識で一致しているほか、現実にASEAN以外の国は、全てASEANとのFTA・EPA交渉を行っている事を考慮に入れるべきだろう。こうした枠組みのあり方に関しては、経済的考慮も重要だが、政治的意味合いへの配慮も大切だ。

 今日は朝からシンポジウムが始まり、@アジアの現代化をどう図るか、Aどのような東アジア共同体を構築するか、との2つのセッションにおいて真剣かつ前向きな意見交換が行われた。冒頭、シンガポールのリム第2外相とともに基調講演を行う。

 午後、これまたシンポジウムで知り合って以来親しいテオ・チーヒン国防相、またハーバード大学ケネディースクールの同窓でもある、リー・シェンロン首相と個別に会談を持つ。特にリー首相とは50分間にわたり幅広く意見交換を行う。いずれの会談でも、9月に誰が日本の首相になるのか、見通しを聞かれる。

 首相、上級相、大統領の官邸が一カ所にまとまっている「イスタナ」において引き続き、シンポジウム参加者と合流し、ゴー・チョクトン上級相と小一時間意見交換。ゴー上級相は首相時代と変わらぬ議論好きだ。そして、ナザン大統領主催夕食会が開かれ、人気アーティストのディック・リーのピアノの弾き語りもあってとても良かった。ナザン大統領は、80歳を超えているが、食事の切れ目毎に各テーブルを移動し、全ての参加者と懇談する気配りをされ、感服した。