2008/03/09(日) NO.462号
日系社会から見た日本のもどかしさ(3月9日)
今朝は、ロスを中心として活躍する日本企業、日系企業の皆さんと朝食を共にしながら懇談を行う。南カリフォルニア日系企業協会(JBA)、南加日系商工会議所(JCCSC)の両団体から3人ずつ参加いただいたが、両者の違いは、前者は会社の転勤等でロスに来ている皆さん、後者はロス地域に根を下ろし、米国の一部になりきろうとする皆さん。
東海岸ではまだ日本人コミュニティーは独自のコミュニティーとしての認知がなされているが、ここカリフォルニアでは、「アジア系」で結束していかざるを得ないほど、他のアジア人の存在が大きいそうだ。南加日系商工会議所は本年一月、日本、中国、韓国、タイの4カ国の商工会議所で連合会を立ち上げ、連携強化を行うことにしたとのこと。今後は、ロサンゼルス郡人口の何と47%強をも占めるに至ったヒスパニック系との連携を図ることも検討中という。
ロサンゼルス地域の日系人は20数万人ほどだが、韓国系は70万人、中国系はもっと多く、ロサンゼルス郡人口の13%がアジア系だ。州都サクラメントに行っても日系議員は一人しかおらず、しばしば韓国系、中国系議員にお世話になり、寂しい思いをしてという。今後は、日本人・日系社会の声を政治に反映させるため、日系議員を育てることに今後力を入れていく方針のようだ。
驚くことに、カルフォルニアで話されている言語は224、裁判所で認められている言語も105に上り、州人口3千万人のうち6割は家庭で英語以外の言葉を話しているとのことだ。カリフォルニアはドンドン変わりつつある。
いろいろ注文も頂いた。日本が今後どのようにして生きていくか、との明確な政策発信が感じられない事の物足りなさは全員共通のようだった。例えば、技術力も考慮すれば「日本は今後、環境で生きていく!」との強烈は発信があっても良い、との強い指摘があった。私からは、安倍内閣で掲げた「クールアース50」の政府方針は福田内閣でもしっかり引き継がれており、環境技術立国に向けた今後の成果に期待してほしいと約束した。
これまで、戦前の不幸な歴史を受け、戦後の日系人社会では、日本との関係が意識的にも希薄なままできてしまった。日本語も大事にされてこなかった、という。今、改めて日系人と日本人との交流を深めよう、との気運がここカリフォルニアで出てきているが、その実現のためにも、日本が日系人にとって「誇りの対象」とならねばならないとの的確かつ重たい指摘を頂いた。日本が、そこここに見える「鎖国メンタリティー」を捨て、世界から受け入れられ、世界から人が集まる国にならねばならない。観光客にしても、リピーターのいない日本ではダメだ、等々、有益な提言ばかりだった。海外で暮らす多くの日系人、日本人のためにも、日本の政治がしっかりしないといけないことを改めて認識した朝食会だった。
東海岸ではまだ日本人コミュニティーは独自のコミュニティーとしての認知がなされているが、ここカリフォルニアでは、「アジア系」で結束していかざるを得ないほど、他のアジア人の存在が大きいそうだ。南加日系商工会議所は本年一月、日本、中国、韓国、タイの4カ国の商工会議所で連合会を立ち上げ、連携強化を行うことにしたとのこと。今後は、ロサンゼルス郡人口の何と47%強をも占めるに至ったヒスパニック系との連携を図ることも検討中という。
ロサンゼルス地域の日系人は20数万人ほどだが、韓国系は70万人、中国系はもっと多く、ロサンゼルス郡人口の13%がアジア系だ。州都サクラメントに行っても日系議員は一人しかおらず、しばしば韓国系、中国系議員にお世話になり、寂しい思いをしてという。今後は、日本人・日系社会の声を政治に反映させるため、日系議員を育てることに今後力を入れていく方針のようだ。
驚くことに、カルフォルニアで話されている言語は224、裁判所で認められている言語も105に上り、州人口3千万人のうち6割は家庭で英語以外の言葉を話しているとのことだ。カリフォルニアはドンドン変わりつつある。
いろいろ注文も頂いた。日本が今後どのようにして生きていくか、との明確な政策発信が感じられない事の物足りなさは全員共通のようだった。例えば、技術力も考慮すれば「日本は今後、環境で生きていく!」との強烈は発信があっても良い、との強い指摘があった。私からは、安倍内閣で掲げた「クールアース50」の政府方針は福田内閣でもしっかり引き継がれており、環境技術立国に向けた今後の成果に期待してほしいと約束した。
これまで、戦前の不幸な歴史を受け、戦後の日系人社会では、日本との関係が意識的にも希薄なままできてしまった。日本語も大事にされてこなかった、という。今、改めて日系人と日本人との交流を深めよう、との気運がここカリフォルニアで出てきているが、その実現のためにも、日本が日系人にとって「誇りの対象」とならねばならないとの的確かつ重たい指摘を頂いた。日本が、そこここに見える「鎖国メンタリティー」を捨て、世界から受け入れられ、世界から人が集まる国にならねばならない。観光客にしても、リピーターのいない日本ではダメだ、等々、有益な提言ばかりだった。海外で暮らす多くの日系人、日本人のためにも、日本の政治がしっかりしないといけないことを改めて認識した朝食会だった。
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