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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2009/06/05(金) NO.528号 

「霧の森大福」成功の秘訣(6月5日)

 人気の「霧の森大福」を買うため、一昨日朝、松山市ロープウェイ街にある「霧の森菓子工房松山店」に久し振りに行った。

 平日だから買えるだろう、と思って10時の開店寸前に店に近づくと、店の前に数人のお客さんの人影が見える。まあ、これなら大丈夫、と思って行くと、何と、店角の反対側にも、店の中にも、合わせて30人くらいの人で一杯!あっという間に売り切れ。ああ、買えなかったー。

 一時間後にもう一回お店に行き、店長さんに相変わらずの人気の秘訣をお聞きしてみた。愛媛県・旧新宮村の第三セクター「(株)やまびこ」が5人の出資者と新宮村により設立されたのが今から10年前。新宮村のお店より先にできたのが松山店だそうだ。高知のフード・コーディネーター大原一郎氏と一緒に「霧の森大福」を商品開発、以来大人気だ。餅の外側に新宮の無農薬抹茶をたっぷりまぶし、中が生クリームとあんこの和菓子。特に2004年に「ビッダーズオークション」のサイト上で、グルメヒット番付第一位を40日間続けて以来約5年間、毎日完売を続けているそうだ。

 「何でそんなに売れるのですか?」ときくと「おいしいからですね」と言う。そりゃそうだ。しかし、おいしい物は他にいくらでもある。毎日行列で、あっという間に完売。これだけの人気には、何か秘訣があるに違いない。「ネット販売を止めたそうですね?」と言うと「いえ、やっています」と言う。しかし、聞けば不定期で、時々ネット抽選販売をやっており、その倍率たるや70倍から100倍、だそうだ。

 「欲がないから」という理由で毎日の生産は800箱だけ。しかしこれだけ売れているのに、もっと作らないのには、より深い考えもあるのかもしれない。今でも旧新宮村で製造し、和菓子としては初めて常識を破って冷凍技術を確立して搬送しているそうだ。ネット販売でも冷凍で配送される。なるほど。作り方、売り方もいろいろ工夫しているのだ。

 愛媛は柑橘、裸麦、小魚をはじめ食材の宝庫であり、素晴らしい観光資源など、沢山ある。しかし、素晴らしいものも工夫をしないと爆発的には売れない。何でもそうだろう。裏返せば、各所に眠っているこれら素晴らしい原石にひと工夫を加えれば、大ヒットの種は結構たくさんあるに違いない。今、少し自信喪失気味の愛媛であり、日本だが、ここは官民が協力して、前向きに、クリエイティブに、飛躍のための知恵を絞っていこうじゃないか。