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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2008/08/05(火) NO.475号 

改めて考える離島の活性化(8月2日)

 昼前、松山・高浜港からフェリーで約10分、沖合の興居島に渡り島内を車のまま移動、迎えの船に乗り換えて釣島に渡る。昨秋の運動会以来だ。人口約80人、周囲2.6km、標高152m。殆どが山。松山空港着陸寸前、眼下に見える「水滴」のような形の可憐な小さな島だ。1860年代の徳川幕府と英国公使との約定によって瀬戸内海に8つの灯台が建設されたが、その一つが明治6年(1873年)完成、英国人技師ブラントン設計の「釣島灯台」。今は旧官舎と倉庫も復元され、松山市指定文化財として大事にされている。

 柑橘農業とタコを中心とした漁業の島だ。港の桟橋には子供を含め、馴染みの面々が出迎えてくれる。集会所にて島民の大半が集まる会合に参加。 私から最近の政治情勢などについて報告後懇談し、いつもながらの温かいもてなしを受ける。新鮮なタコのてんぷらやタコ飯などに加え、今年は町内会長さんのご子息が、昨日素潜りでわざわざ採ってきてくれた大きなサザエが山ほどあり、感激。美味かった。心のこもった歓迎に、ただただ感謝する。

 しかし、席を回りながら一人一人と話してみると、生活の苦労が随所に見られる。まず、何といっても燃料費や資材価格などの高騰が生活をヒットしている。今年はたまたま中国製ギョーザ・ショックで日本産食材選好により、タコの値段がまずまずだが、それでも燃料費などの高騰は痛い。

 もう一つ意外な問題があった。島を一周する周回道路が海岸沿いにあるが、平成3年の19号台風で島の南西側部分が大波で破壊され、いまだに落石の可能性などのため通行止めだ。その意外な結果が、密漁者による水産資源の無断採取だという。夜間、島民が南西部水域への陸上からの監視ができないことをいいことに、アワビやサザエなどを夜間、潜水具を付け、明かりを煌々と点けて堂々と根こそぎ密漁して水産資源を持ち去っていく、という。本来密漁を取り締まるはずの海上保安庁は役立たずのようだ。アワビに至っては、国の補助金による養殖稚貝を放流したもので、税金の適性、正当な使い方になっていない。

 道路が一部通行止めであることを見透かした密漁を止めることは、釣島活性化の第一歩だろう。そのための効果的で効率的な道路修復方法も考えないといけない。何となれば、この釣島には、愛媛県では既に誰でも知っている「釣島のタコ」に加えてサザエ、ヒジキ、わかめ、天草など、他地域と比べて格段に良質で、有効活用可能な水産資源が豊富にあるからだ。サザエはすでに漁協を通さず、松山市内などの料理店に直販しているようだが、都会の料亭などで喜ばれる大ぶりなサザエなどは、運送コストを考えても少なくとも関西市場に持ち込めば、良い値段で売れ、採算はとれるのではないか。また、2年前の夏、島の女性たちが私が訪ねる前日から煮つけてくれた「タコの卵」を初めて食べ、そのおいしさに感動したが、この卵は8月末から9月初にしか食べられないもので、こうした珍しい食材を東京・大阪など都会の市場に出せば、それなりの価格で売れるのではないか。

 残念ながら現状は、漁業者一人一人が必死に努力をしているが、パワーが集結されておらず、本来の潜在力が引き出されていないように見える。ここは、島の若手後継者や周辺離島の有志が結集して知恵を出し合えば、意外な活路が開かれるのではないか。もちろん、マーケティングのプロのちょっとしたアドバイスなど、何らかのサポートが必要だと思うが、基本は地方の「心」と「自然」を消費者の心に、どのように売り込んでいくか、ということだろう。これは、「せとか」「紅まどんな」など、都会で一個千円前後で売れ始めている、改良品種の愛媛柑橘も同じはずだ。私も政治の場から、何ができるか考えていきたい。まさに「地方の活力、日本の再生。」だ。

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