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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2010/01/17(日) NO.568号 

説明責任は本人にあり(1月17日)

 阪神・淡路大震災から15年。改めて6434人の犠牲者のご冥福をお祈りする。

 昨日の民主党大会で、元秘書3人が逮捕された小沢幹事長に対し、鳩山首相が続投を強く依頼、本人も辞任の意向を否定した上で検察と闘う意思を明確にした。会場は批判のヤジもなく賛同の拍手に包まれたという。異様だ。鳩山首相は、自分が検察を含む政府の全体の代表であることを忘れたのか、野党党首のように、「私は小沢氏の潔白を信じている」と力説。首相と与党が一体となって、政府と闘おうというのだ。国家統治としての危うさを強く感じる。

 明らかにすべきは、小沢幹事長の不動産購入資金の出所。小沢氏は、一日も早く検
察の事情聴取に応じるとともに、国会での証人喚問等の場で明確に説明すべきだ。要は、不動産購入原資に公共事業関連「裏献金」や、政党助成金、すなわち「税金」が流用されたのではないか、との疑いを晴らすことだ。既に報道されている水谷建設以外にも、裏献金をしたと検察に証言した下請け業者幹部の告白を直接聞いた私の親しい人もいる。職務権限がなくとも、東北地方の公共事業を受注するには小沢事務所に「ご挨拶」が必要である事は、かねてから言われていた。そのため、「みかじめ料」と同様、小沢氏側に「ご挨拶」が必要らしい。

 明日から通常国会。危機に瀕する日本の国民生活、地方の窮状をどうするかなどを、予算審議などを通じて議論すべきだが、まずは小沢幹事長のこの政治資金規正法違反問題、鳩山首相の贈与税脱税問題という、「政治とカネ」の問題の説明責任を果たし、国民にきちんと理解できるようにすることをせざるを得ないだろう。民主党は、野党時代に主張したことをきちんと思い出し、一貫した行動を取るべきだ。

 整合性のあるマクロ経済政策や中味のある成長戦略不在で、先行きが全く不透明の鳩山政権の下、デフレは確実に広がりながら進んでいる。深刻だ。今日、市内何カ所かで開催されていた農業祭や新年の祈祷祭などで農業者から聞くと、昨年末から農産物価格はとんでもなく低迷している。今年同様「表年」だった温州みかんは、一昨年はキロ45円していた農家手取りが、今年は30〜35円程度で、「全く食べていけない。農業こそ国の基(もとい)ぞな、塩崎さん。何とかしてくれ!」と嘆いていた。全般的に需要が激減し、先週太田市場に行った農協職員も、競りが成立しないほど買い手が少なく、閑散とした市場に驚いて帰ってきたという。

 また、昨日新年会でお目にかかった、いつも堅実経営で立派な業績を上げてきている、私の尊敬するある地元経営者は「昨秋から経済ががくっと悪くなっているだけでなく、不透明さが増して、何か新しいことをやろうという気持ちがなくなった。これでは設備投資は当分の間、出てこないだろう」と暗い。

 子ども手当のように少子化対策効果も少なく、景気拡大効果も少ないが、直接家計の財布に現金を配る「選挙効果」狙いのマニフェスト政策に財源を取られ、本当に強い日本復活に向けた実のある政策は殆どできそうもない現政権。日米関係も戦後最悪で、先日も我々野党議員との接触禁止令が出ている外務省の幹部がこっそり来て、慎重に言葉を選びながらも、日本外交の行く末への強い懸念を漏らして帰って行った。予算委員会や私が筆頭理事を務める経済産業委員会を含め、今国会で日本再生に向けて徹底議論をしなければならない。