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2009/03/25(水) NO.515号 

内閣人事局長は、副長官級、独立ポストで(3月25日)

 今国会に提出予定の国家公務員法等の改正案について、昨日に引き続き自民党行革推進本部・公務員制度改革委員会が開かれたが、結論は再び持ち越し。内閣人事局長に官房副長官の一人を充てる、という官邸側に対し、党内の大半の意見は、「副長官級の独立ポスト」にすべき、との意見だ。

 昨日段階の政府案では、明らかに官房副長官、それも3人の副長官のうち、事務の官房副長官の「充て職」、としか受け取れない法文案の書きぶりだった。しかし、中馬行革本部長は、昨日の委員会の最後に、「総理は行革の観点からポストは増やさない事を条件に副長官の一人にする、という強いご意志だ。3人のうち、誰になるか分からない。専任かもしれないし、兼職かもしれない」との事だった。ならば法文案もそのようにすべきだ、という事で今日の会合が改めてセットされた。しかし、出てきた政府修正案は「内閣官房副長官の中から指名する者をもって充てる」となっており、進歩なし。

 加えて、昨日、我々が党本部で議論している時間とほぼ同時刻、参議院の委員会において、河村官房長官は「事務の官房副長官をもって充てる、というのが麻生内閣の方針である」と明確な答弁をしてしまっていた。党内で法案が審議されている最中にも拘わらず、官邸は自らの方針を国会で明らかにしてしまった。何のための党内での法案審議か。

 昨年の公務員制度改革基本法で、「官僚内閣制から真の議院内閣制にする」との決意から、幹部人事を内閣が一元管理する、という事になった。幹部の任命権は各大臣が持っている。これまで各省人事はそれぞれがバラバラに、それも天下り、渡りに至るまで全ての人事を各省が仕切ってきた。この「各省割拠主義」を打破しながら、総理の下で、年齢、官民等に関係なく、真に国家国民のために働く、やる気に満ちた公務員をつくる、というのが与野党協議の末にできあがった基本法のキモだ。

 私は官房長官として、局長以上の人事などについて副長官3人と共に4人で「人事検討会議」においてチェックをしてきたが、幹部人事に関する各省案を覆すのは、忙しい合間に開催する会議では時間も情報もなく、殆ど難しかった。独立行政法人への天下り人事などは、私はほぼ全て阻止したが、各省幹部人事で覆した唯一の例は、防衛省次官人事、くらいだ。

 今回、内閣人事局が対象とする幹部職員の人数は、600人。とても「充て職」の副長官でこなせる事はあり得ない人数だ。任命権者の大臣の意志に反してでも、総理、官房長官の意志を通す戦略的人事を各省とやり合う、大変な仕事だ。忙しい官房副長官は必ず仕事を部下に任せる事になる。最終判断だけは自分で、と思うかもしれないが、会社の人事部長がその程度のコミットメントで会社幹部人事管理の職責を果たしているはずはない。全力投球してもなかなか自分で得心できないだろう。だから総理直結の「官房副長官級の独立ポスト」でなければならないのだ。

 新たなポストを作る事は行革に反する、との論理は、新しい事をやりたくない時に霞ヶ関がいつも使う論理だ。基本法の根本精神に立ち返れば、このような事は全く問題にならない。副長官級の給与を減額し、一人分の給与をひねり出せば十分だ。一人分のポスト新設で「真の議院内閣制」実現に資すれば、国民は納得してくれるはずだ。

 我々が公務員制度改革を進めてきたのは、国家の意思決定メカニズムを変えるためだ。あらゆる事態を想定し、国家の意思が官僚機構の圧力でゆがんだりしないよう、最大限民主的に決まる仕組みを法律により制度化する、という事が大事なのだ。とりわけ、今回の法改正は、与野党が立法府において合意した基本法に基づくもの。内閣人事局長人事も、与野党が合意できるもので、同時に、国民が納得して「これで日本も変わる」と感じ取って頂ける法案にしなければならない。確かな、新たな仕組みを法制化する事だ。

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