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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2010/06/01(火) NO.596号 

国民に信を問うべし (6月1日)

 昨日は、社民党による連立政権からの離脱決定、週末の世論調査での支持率低下などを受け、午後から永田町界隈は鳩山総理退陣をはらんだ政局により、終日緊迫した。与野党合意がないまま議長の一方的開会により衆議院本会議が始まった。その後、経済産業委員長解任決議案、赤松農水大臣不信任案、および金曜日にたった6時間の審議で強行採決された郵政関連法案などの採決が、これまた異常だが、温家宝首相の外交日程を挟んで断続的に行われた。

 いずれの案件も数の力で処理されてしまった。その間衆議院の廊下では鳩山総理、小沢幹事長を囲む記者団が、ウンカの大群のように群がりながらドタドタ移動する光景が、いかにも政局らしい。どうも今晩、宮崎県での口蹄疫の被害視察から戻る鳩山総理と小沢幹事長が会談をし、場合によっては総理辞任、ともなりえるようで、今日の永田町も朝から緊張感がただよっている。

 しかし、現在の政局は鳩山総理個人の問題だけによる結果では決してないことを忘れてはならない。もしここで総理を替えるという、単なる「看板のすげ替え」で終わることは許されない。かつて野党だった民主党がさんざん主張していたように、総理を替えるなら、その後直ちに解散総選挙を打って国民に信を問わねばならない。なぜならば、今の民主党中心の政権の評価が地に墜ちてしまったのは、鳩山総理個人の言動のみによるのではなく、数々のマニフェスト違反、沖縄県民への裏切り、日米関係の最悪化と世界からの信認喪失、経済・財政の深刻化、政治とカネ問題による政治不信の深まり、等々、民主党政権そのものに帰因する問題こそが国民の政権に対する失望をもたらしたからだ。

 鳩山総理が職を賭して5月末までに普天間移設問題を解決する、と約束した。しかし、それが実現できないことが明らかになった今、総理を引責辞任するのは当然だ。政権は新たな総理によって国民に信を問わねばならない。自民党も覚悟を決め、自己改革しながら日本復活の道を指し示し、国民の信認獲得に邁進しなければならない。