2009/05/07(木) NO.523号
世界一の「無農薬・有機大葉」生産(5月7日)
先月、タマネギ、アスパラやブロッコリーなどの生産に挑戦している若手農業者などと勉強会を開いて、大いに希望とエネルギーを頂いたが、今日は、以前から私が応援している、無農薬で大葉(紫蘇)の有機栽培に取り組んでいる戒能恒平さんの農場を、久米・鷹ノ子に久し振りに訪ねてみた。
古くはみかん畑であった斜面に、かつて3棟だったハウスがなんと10棟にまで増設されていた。このほか、松山の隣町、東温市旧川内地区にも何年か前に新たに農場を設け、大葉生産をしている。鷹ノ子農場の丘の一番上には大葉の選別をする作業棟もできており、中で数人の女性が大葉を選別、一束10枚にまとめてトレイの上にずらりと並べる。下の小屋では、戒能氏の両親も手伝って、それらの束をビニール袋に詰め、専用冷蔵庫に入れて出荷に備えていた。ブランドは、彼の曾祖父が大正元年に創業した「生々(せいせい)農園」。JAS認定の有機栽培の大葉だ。
ハウスの中も見せてもらう(5月7日付ライブレポート参照)。
一面鮮やかな緑で、目に優しい。女性職員が縦9センチメートルに達して出荷可能になった大葉を選びながら採っていた。時々戒能氏が葉っぱをいじって何かを取って捨てたり
している。後で聞けば、ビニールハウスでもどうしても入り込んできて繁殖する虫などを捕っていた、という。無農薬ゆえに必要不可欠な時間のかかる手作業だという。
温度管理により年中出荷ができ、今や一日の出荷量は10枚入りの袋3000袋と、無農薬・有機栽培の大葉生産量としては、日本一だそうだ。大葉で日本一、ということは世界一、ということらしい。そりゃそうだ。外国で大葉を食べたことはない。価格は普通の大葉の約二倍とのこと。出荷先は主に東京。最近は大阪方面も開拓中。松山でも最近少しずつスーパーなどに出始めてはいるが、苦戦中のようだ。まずは東京などでブレイクし、その評判が松山まで届かないと松山市場での円滑な販売は難しい、という。また、規格サイズ外やキズ入りなどの大葉を活用し、大葉石けん、大葉ハーブティーなども製造販売しており、さらに、かつて飲ませてもらってとても美味しかった大葉ジュースも製品化中だそうだ。
経営主体は92年に立ち上げた農業生産法人(有)バイオ。戒能氏は障害者就労にも熱心で、既に知的障害者、精神障害者を採用し、今も知的障害者3人ほどが一緒に大葉栽培に当たっているそうだ。しかし、障害者就労への支援態勢に様々な問題があり、こちらも精神障害者の就労は諦めざるをえなくなった、という。こうした先進的な未来型経営をする農業に従事する若者が、障害者とも一緒に新しい事への挑戦がより容易にできるよう、公的、社会的支援の仕組みを政治や行政がもっともっと考えなければならない。
古くはみかん畑であった斜面に、かつて3棟だったハウスがなんと10棟にまで増設されていた。このほか、松山の隣町、東温市旧川内地区にも何年か前に新たに農場を設け、大葉生産をしている。鷹ノ子農場の丘の一番上には大葉の選別をする作業棟もできており、中で数人の女性が大葉を選別、一束10枚にまとめてトレイの上にずらりと並べる。下の小屋では、戒能氏の両親も手伝って、それらの束をビニール袋に詰め、専用冷蔵庫に入れて出荷に備えていた。ブランドは、彼の曾祖父が大正元年に創業した「生々(せいせい)農園」。JAS認定の有機栽培の大葉だ。
ハウスの中も見せてもらう(5月7日付ライブレポート参照)。
一面鮮やかな緑で、目に優しい。女性職員が縦9センチメートルに達して出荷可能になった大葉を選びながら採っていた。時々戒能氏が葉っぱをいじって何かを取って捨てたり
している。後で聞けば、ビニールハウスでもどうしても入り込んできて繁殖する虫などを捕っていた、という。無農薬ゆえに必要不可欠な時間のかかる手作業だという。
温度管理により年中出荷ができ、今や一日の出荷量は10枚入りの袋3000袋と、無農薬・有機栽培の大葉生産量としては、日本一だそうだ。大葉で日本一、ということは世界一、ということらしい。そりゃそうだ。外国で大葉を食べたことはない。価格は普通の大葉の約二倍とのこと。出荷先は主に東京。最近は大阪方面も開拓中。松山でも最近少しずつスーパーなどに出始めてはいるが、苦戦中のようだ。まずは東京などでブレイクし、その評判が松山まで届かないと松山市場での円滑な販売は難しい、という。また、規格サイズ外やキズ入りなどの大葉を活用し、大葉石けん、大葉ハーブティーなども製造販売しており、さらに、かつて飲ませてもらってとても美味しかった大葉ジュースも製品化中だそうだ。
経営主体は92年に立ち上げた農業生産法人(有)バイオ。戒能氏は障害者就労にも熱心で、既に知的障害者、精神障害者を採用し、今も知的障害者3人ほどが一緒に大葉栽培に当たっているそうだ。しかし、障害者就労への支援態勢に様々な問題があり、こちらも精神障害者の就労は諦めざるをえなくなった、という。こうした先進的な未来型経営をする農業に従事する若者が、障害者とも一緒に新しい事への挑戦がより容易にできるよう、公的、社会的支援の仕組みを政治や行政がもっともっと考えなければならない。
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