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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2010/02/15(月) NO.573号 

四国最大の太陽光発電開始(2月15日)

 四国最大の太陽光発電設備が愛媛県伊予市の日新化学工業(株)本社工場に完成。そのお披露目に参加させて頂く。地元テレビ局のカメラも勢揃いだった。

 いつも先を見通し、脇の締まった、しかしダイナミックな会社経営をしてこられたのが、同社社長の後藤義昭さん。病院経営でも猛勉強をし、ある老人病院をリハビリで強みのある個性的な病院に生まれ替わらせた素晴らしい経営者だ。この会社は、ポリ袋から農業用ハウス向けシート、世界で最も幅広いポリエチレンシートなどを生産する石油化学製品会社。後藤さんは、この会社では、かなり以前に自家発電から買電に切り替えたが、化石原料を使う企業の社会的責任から、太陽光や風力発電などの環境投資を思い切ってやろう、と数年前から心に決めていた。そして今日、工場等の屋根の上に設置した約3000枚の太陽光パネルの発電が始まった。国からの三分の一補助を活用して、またまた後藤さん、大胆なことをやられた。

 これでまかなえる発電量は、工場の消費電力のせいぜい1〜2割程度に過ぎない。しかし毎年真夏には130℃にもなる屋根が、一面に張られたパネルのお陰で殆ど温度上昇せず、工場内の冷房コストが格段に下がる。また操業していない休日などは確実に売電でき、メリットもあるようだ。「毎年約230トンのCO2削減をしながら、従業員1人1人の意識が変わることが、結果を出すために何よりも重要なんだよ」と後藤さんはおっしゃる。いつも社員を人一倍大事にされているが、これで社員とともに環境保全に大きく踏み出そう、というのだ。

 官房長官時代、安倍総理とともに「クールアース50」、すなわち2050年までに世界全体のCO2排出量を現状より50%削減しよう、との提案など、地球温暖化対策の新提言を世界に向かっておこなったが、我々がその際最も大事なものとして推進しようとしたのも、CO2排出削減に向けての国民運動だった。「めざせ1人1日1sCO2削減」をキャッチフレーズに、家庭や職場の意識改革に挑戦し、翌年の洞爺湖サミットはカーボンオフセットサミットとすることを決めた。1人1人が毎日意識して身近な排出削減努力を行うことが、大きな成果をもたらす。ちなみに、私は昨年の選挙を「カーボンオフセット選挙」とし、CO2排出量を計算して、私の同級生のミュージシャン、坂本龍一君が主宰する一般社団法人「モア・トリーズ」を通じ、フィリピンの森林吸収量を購入した。

 昨年7月に私達が衆議院に議員提案した「低炭素社会づくり推進基本法」では、これから10年を特別行動期間とし、やらねばならないことを幅広く整理したが、その基本も、あらゆる国民の意識改革である。鳩山首相は就任早々、2020年までに1990年比でマイナス25%の排出削減を唱えた。しかし、どのように目標達成するかはこれから考える、という。遅い上に順番が逆だろう。わが国も一丸となれるように、政府はもっと努力しなければならない。社員こぞって同じ方向に向けて努力することに力を注ぐ後藤さんに見習うべきだ。