トップ > やすひさの独り言

やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

  • メールマガジン登録・解除
  • 全タイトル一覧
  • バックナンバー
2009/11/09(月) NO.556号 

外の目による検証を党再生の力に(11月9日)

 鳩山新総理の所信表明を受けた衆参予算委員会での質疑は、明日で一巡する。この間民主党政権は、「脱官僚依存」を標榜して国会答弁は政治家中心にするなど、新たな流れを作ろうとの意気込みを感じさせる一方で、日本郵政のトップや人事院のトップに官僚OBを使うなど、根本的なところで一貫性のないところを露呈しつつある。40兆円を下回る今年度税収見通しにより、つい先日行われた44兆円の来年度国債発行上限の約束もおぼつかなくなってきている。普天間問題での迷走振りは、わが国を守る基本施策である日米同盟関係の土台を揺るがすのではないか、と国民を心配させ始めている。ぶれる政治に国民はついていかないし、日教組の影響が色濃い教育政策にも懸念の声が多い。

 一方自民党も、予算委員会での質問ではまだまだ「野党らしさ」に磨きをかける必要がありそうだ。もっと突っ込め、との声が地元では多い。国民の懸念、心配をしっかり踏まえた国会論争にもっと努めよう。今国会、私は経済産業委員会の野党側の筆頭理事。マクロ経済政策なき新政権に対し、産業構造大転換を通じた経済の再活性化など、本源的な問題提起をどんどん行っていきたい。

 先週金曜日、自民党の再生策を検討する政権構想会議が、第一次勧告をまとめた。衆参両院の候補者選定での公募制、予備選の活用など、これまで以上に踏み込んだ内容のようだ。でも、国民の信頼を取り戻すにはまだまだこれは最初の一歩に過ぎないだろう。今後ほんとうに新しい自民党を創り上げていくためには、国会議員や党職員など内間による反省、検証だけではなく、外部の目から見た客観的な検討も不可欠だと思う。例えば、民間コンサルタントなどに依頼し、内々の甘えを許さない外部の冷静かつ客観的、かつ厳しい目からの提案をもらうのも一案だ。歴史的、政策的、組織論的、人的など、考えられるあらゆる原因を徹底的に分析し、今後の党改革をはじめ、取るべき総合対策を率直に提言してもらえばきっと新たな知恵も生まれてくる。外部ではないが、冷静な目で、米国がどのようにしてベトナム戦争の泥沼へ引きずり込まれたかを冷徹に検証した「ペンタゴン・ペーパーズ」(正式名称「ベトナムにおける政策決定の歴史、1945年ー1968年」)のような分析が自民党にも必要だと思う。

 政権奪還に向け、自民党はどのようなアイデンティティーの下、いかなる基本理念を新たに打ち立て、中央・地方双方でどのような組織で、どのような戦略、戦術で臨むべきか。険しい再生の道のりを同志達と共に一歩一歩前に歩んでいかなくてはいけない。