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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2009/10/17(土) NO.552号 

高齢社会を共に乗り切る(10月17日)

 今日も快晴。久万高原町で開催される「久万林業祭り」の開会式に赴く。松山の中心から車で45分ほどの高原の町。紅葉には少し早いが、きらきらする太陽と澄み切った空気が爽やかで気持ちがよい。

 地域産材を活用したオール木造の学校を建設するなど、林業に極めて熱心な地域だが、林業経営は相変わらず厳しい。新政権は林業も戸別所得補償制度の対象にする考えのようだが、農業と同様に、「量」と「価格」と「コスト」、それぞれに的確な対策を打ち、結果として持続可能な所得を産み出すための仕組み作りが必要だ。赤字が出たら補償します、といった単純な考えでは本当に足腰の強い林業は育たないだろう。地球温暖化の観点から、二酸化炭素の吸収源としての森林の重要性への理解が深まりつつある中、地域再生のためにも林業再生のためにより一層力を入れていきたい。

 午後、松山市内のキャンプ地で友人達が50人くらいでバーベキューをやっているので顔を出さないか、との誘いで、松山市内の高原である五明地区のレインボーハイランドに行く。J1昇格を目指す我らが「愛媛FC」の選手達も参加していたが、みんなでワイワイしながら頂く手作りのラザニアやピザはやはり最高においしい。

 夕方、若手司法書士の皆さんを中心とする、成年後見制度を担う「リーガルサポートえひめ」の勉強会に今年の6月に引き続き参加。2000年の法制度整備以来、多くの司法書士の皆さんが高齢者や障害者のうち、判断能力の不十分な方々のために、資産管理など法律行為の手助けを行ってきている。しかし、費用負担を支援する「成年後見制度利用支援事業」が市町村の半分程度でしか実施されていなかったり、医療行為が必要になった時に、それを受けることを家族に代わって同意する権限がなかったり、ご本人が亡くなられた時点で後見が終了してしまうが、実際には、後見終了から財産承継までの間に様々な行為を周囲から求められることが多く、対応に苦慮してしまうのが実態という。解決すべき問題が多く、今日はこうした現場の生の声をいろいろ勉強をさせて頂いた。

 私がこれまで確認する限り、法務省は、例えば被後見人死亡後の扱いについては民法解釈で対応可能、としたり、医療行為への同意は医療全般の問題として解決すべきだ、とするなど、現場で起きている問題を具体的に解決する答えを持ち合わせていない感じだ。今日の勉強会では、かなり具体的な議論が行われ、やはり多くの場合、法改正が必要で、次回勉強会では法改正の中味について議論を深めよう、ということになった。

 今後も高齢化が急速に進む中、早め早めに制度整備をして、高齢社会を皆の力で乗り切るため、また障害者の皆さんが暮らしやすくなるため、必要な準備を急いで整えていかねばならない、と改めて思う。