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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2009/12/07(月) NO.559号 

未来に向け、さらに協調(12月7日) 

 昨日夕方、松山空港を発ち、韓国・ソウルへ飛ぶ。インチョン空港からユ・ミョンファン外交通商部長官(大臣)主催の第17回日韓フォーラム歓迎晩餐会へ真っ直ぐ向かい、最後のコーヒータイムに何とか間に合う。
 今日は一日活発な議論を行う。冒頭、福山哲朗外務副大臣から鳩山新政権の内政・外交・日韓関係などへの基本的考え方などについてスピーチが行われ、さらに朝日新聞の若宮コラムニストのコメントも加わり、日本の政治の変化について意見交換。福山氏からは、「民主党の大勝は、旧政権への不信感の強さの表れで、民主党への信頼感や支持の強さによるものではないが、マニフェストに関しては、4年間、実現に向け努力し続けねばならないだろう」と率直な考えが披露された。今後の政局展開は、全てここから始まる。自民党の再生の可否が問われる由縁でもある。
 昼食会には、ヒュン・インテック統一部長官が来られ、イ・ミョンバク大統領が本年9月に国連総会演説で示した「グランド・バーゲン提案」など、北朝鮮問題に関する韓国政府の考え方についてスピーチを行う。
 続く午後の北朝鮮問題等安全保障セッションでは、普天間問題を巡ってぶれ続けることにより、徐々に明らかになりつつある鳩山内閣の安全保障政策の危うさに関し、日韓双方から強い懸念の表明があった。私からも、「米軍再編に関し、わが国の防衛の観点から大事なのは、沖縄県民の『負担の軽減』と『抑止力の維持』であるはずだが、先日来平野官房長官は記者会見で、普天間問題で大事なのは、沖縄の『負担の軽減』と『連立政権の維持』だ、と明言していることは問題。今の日本政府は北朝鮮の核の脅威に関する認識を韓国、米国と共有していないのではないか」と指摘。このままでは、米国、韓国、日本の足並みの乱れに北朝鮮がつけ込むおそれがあるのではないか、との懸念も出された。
 さらに議論が進み、「普通の国」論など、日本の基本的役割にまで及ぶが、セッションの最後に、1975年から日韓間での知的交流を推進されてきた日本国際交流センターの山本正さんから、「交流が始まった当初には、会議で激高した参加者が、そのまま部屋にこもってしまったこともあったが、今、こうして率直な意見交換が冷静にできることは嬉しい。今後日韓両国は、世界の舞台で協調する場面が益々増えてくるはずだ」と感慨深げにおっしゃっていたのが印象的だった。山本さんなど、これまで日韓の相互理解深耕に努力されてきた先人達に、改めて感謝しなければならない。
 夕食会の後、韓国を中心に、世界を股にかけてビジネスをしている友人がたまたまソウルにおられたので、二人で呑みに行く。