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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2011/03/25(金) NO.645号 

今こそ世界一の省エネ立国を(3月25日)

 未曾有の震災による電力不足が続く中、東京電力は冷房利用で電力需要が高まる夏以降も計画停電の実施は避けられないとの見通しを発表した。暑さに苦しむお年寄りや乳幼児、操業停止により資金繰りに行き詰まる中小企業など夏以降も大変な事態が想定される。首都圏の慢性的な電力不足が中長期化すれば市民生活に大きな不安を及ぼすのみならず、日本経済の底力を大きく損なうことは間違いない。今こそ、政策を総動員して世界一の省エネ立国を目指すための思い切った政策実行をすべきではないか。

 政治が担える役割はいくらでもある。例えば、省エネ家電普及のためのエコポイント制度の復活・拡充、クーラーなしを前提にした「スーパークールビズ」の開発・推奨、在宅勤務の可能性を広げるクラウドコンピューティングの普及促進、ソーラーパネル購入への補助金強化、電力の小売・卸売りの自由化促進、省エネを奨励する電気料金の弾力的設定などなど。こうした省エネ立国のための政策提言を早急に自民党としてもとりまとめて政府に直ちに実行を求めていきたい。

 不便は発明の母と言われる。かつて深刻な大気汚染に悩まされていたカルフォルニアで思い切った排ガス規制が導入された結果、日本の自動車メーカーなどによる環境技術の大幅な技術革新が進んだことは記憶に新しい。今、地震・津波・放射能と大変な危機にある日本だが、こうした制約に押しつぶされることなく、日本再興のための希望ある青写真を描いていくことこそが政治家一人一人の責任だと思う。

 計画停電が一時的に不要となるほど、想定を超えた草の根の節電協力で世界を驚かせた日本人。自分たちができることをやろうと、今、国民の心は一つになっている。しかし、「節電」を連呼するばかりで、政府がいつまでも国民の善意に頼るばかりではいけない。次世代につながる政治の知恵を今こそ結集するべきときだ。