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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2010/07/01(木) NO.601号 

やはり危うい菅政権(7月1日)

 28日は、月曜日朝一番の便で松山を発ち、羽田経由、新幹線で仙台へ向かう。公募で選ばれた参院宮城選挙区、35歳の松下政経塾出身候補の応援だ。翌29日は、自民党のネクスト・ジャパン「いちばん」キャラバンを5名の代議士で組み、熊本へ飛び、若手現職候補の応援。また昨日は、3年前に続き二度目の戦いに挑む新人候補の応援のため、三重県鈴鹿市、四日市市を終日回る。夕方には石原伸晃代議士、候補者らとともに街頭演説。今日は再び5代議士によるキャラバンで兵庫選挙区の現職候補の応援予定であったが、谷垣総裁の夕刻松山入りが決まったので、急遽、神戸行きをキャンセルし、朝からまっすぐ松山に戻る。

 サミット帰りの菅総理が消費税引き上げで再びブレている。マニフェスト発表時には「10%への引き上げを公約と受け止めて良い」とし、「2010年度内に消費増税法案をまとめる」とまで勇ましくいっていた。しかし、カナダでは「税制改革に関する超党派議論の呼びかけまでが自分の提案だ」と大きく後退。今度は年収400万円以下の人への消費税負担額の全額還付や食料品などへの複数税率適用まで具体的に主張しはじめた。何とも大きなブレ方だ。

 昨年の総選挙では、「バラまいて選挙に勝つ」との姿勢一辺倒だったし、今年初でも「増税は逆立ちして鼻血が出なくなるほど行革をやってからだ」と唱えていた。しかしその後、財務大臣として官僚から財政再建が大事だ、ということ事を教わってはじめてその重要性に気づいたのか、にわかに強硬な財政再建派に転じた菅総理。そして、発言がブレをくり返しながら、その整合性を無理につけるために、今や総理・党代表として選挙に勝つためにバラマキは続けるが、同時に財務官僚が勧める低所得者層対策を講じながら消費税アップで財政再建を目指そう、と、二兎を追うことを決めたかのようだ。

 一方、小沢一郎氏は執行部との対立を深め、消費税などに関するマニフェストの修正を許さない姿勢を明確にしている。これに対して、枝野幹事長が「無責任な大衆迎合」と応酬。追っかけ小沢氏がたたみ込むように「正しいことは正しいと主張する」と打ち返すなど、党内対立が深まっているようだ。これでは鳩山政権末期の混迷状態に逆戻りだ。

 財政再建の基本は、まずは納税者の納税能力アップ、すなわち雇用と所得創出を通じた本物の成長戦略を実施し、そして無駄を中心とした歳出カット、その上での税制抜本改革だろう。ところが菅政権は、鳩山政権に続きバラマキは続ける一方、「増税による成長」などと、世界でも聞いたこともない理論を振りかざして、歳出、歳入の両面から日本経済を一層弱体化しようとしている。先日開催されたG20の参加国でも、経済浮揚効果もない政策を増税でまかなって財政規模を大きくしようとする国は他にない。やはりこの政権も鳩山政権と同じように、危うい。