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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2010/05/08(土) NO.591号 

余りにも杜撰な政権(5月8日)

 鳩山総理の沖縄訪問で改めて明らかになったことがある。それは、昨年の総選挙に至るまで民主党は、政権を担うことの責任の重大さを何も考えず、政策的に大衆迎合に走り、ひたすら「政権交代」自体を目的化してきた、ということだ。「(首相就任後)学ぶにつけ、沖縄の米軍全体が連携して抑止力が維持できているという思いに至った。浅かったといわれれば、その通りかもしれない」と言葉には愕然。さらに「公約は党の考え方。(「最低でも県外」は)党代表としての発言だ」という、世の中では全く通らない無責任さに呆れるばかりだ。民主党寄りの新聞でさえ、見出しで「遅かった、甘かった、浅かった」と酷評している。

 こうした政権交代前と全く異なることを平気で唱え、実行しようという杜撰さ、無責任さは、実は普天間問題だけではない。「残りの13,000円は現物給付に」との変更可能性が出てきた子ども手当もそうだ。また4月初旬から自民党・みんなの党が対案をぶつけて審議をしてきた公務員制度改革関連法案も同じくらい「公約違反」満載状態だ。そのような法案について連休明けに採決強行を許すわけにはいかない。国家・国民のための公務員制度改革をより真剣に考えている我々の議員立法をベースに修正協議をすべきだ。

 この独り言では、公務員制度改革法案に絞って述べていきたい。同法案に関して、6つの問題点があると考えている。
 その問題の第一は、公務員制度改革基本法違反。与野党合意で成立した基本法は、法施行後一年以内に、@幹部人事の一元管理を担い、A人事院、総務省などの人事機能を移管した内閣人事局を、いわば「霞ヶ関の人事部」としてつくることを定めてあるのに、政府は基本法に反して@だけの法律を出し、逆に基本法自体を修正してきている。

 第二は、幹部の人事制度についても、政治家の恣意的な人事を可能にする、いびつな制度であることが明らかになっている。
 
 第三は、野党時代には議員立法まで出して禁止を唱えていた「退職勧奨」、つまり「肩叩き」を鳩山内閣になってからなんと1,221人もの大量に行っていたことが判明し、言行不一致を露呈している。おまけに勧奨を拒否したのはたった二人。仙谷大臣は実態解明も拒否した。おそらく大量の天下り付きの「裏下り」だろう。
 これまた政権を取ってみて初めて「退職勧奨」の必要性がわかったとでもいうのだろうか。天下りはさせられない、しかし、定年までいてもらうと人件費がかさむ。遂に仙谷大臣は法案審議を通じ「天下り斡旋がなければ退職勧奨はかまわない」とまでいい出した。おまけに、その場合は「離職を余儀なくされるのだから、分限処分の際に限定していたはずのセンターでの再就職斡旋も可能だ」(階政務官)と、「ハローワークに行け」といっていた政党が、「やっぱり天下り斡旋をやります」とまでいうようになってしまった。

 第四に「渡り」の「裏下り」も許している。昨年日本郵政副社長に就任した坂篤郎元官房副長官補は、委員会答弁で、損保協会副会長の自分の後任に国税庁長官経験者を推薦したことを明らかにしたが、金融庁担当政務官によれば、役所の水面下の斡旋の有無の確認については金融庁の担当官が損保協会に問い合わせただけ。こんな及び腰では「裏下り斡旋」を取り締まれるわけがない。

 さらに第五に、幹部に対し退職勧奨もしなくてもいいように、「高位の専門スタッフ職」なるものの新設を法案審議を通じて明らかにしてきた。用はなくなったが辞めさせられない幹部には「高給窓際ポスト」に座ってもらうというわけだ。課長級以下に限られている専門スタッフ職を幹部にも広げるという。これでは「公務員人件費2割削減」どころか、人件費はうなぎ登りになってしまう。

 第六に、独立行政法人、公益法人、民間企業への「現役出向」枠を増やし、行き場のなくなった官僚を不況で苦しむ民間企業などに押しつけよう、という。独法の役員は公募にする、とした鳩山内閣だが、出向なら公募もしなくて済む、というわけだ。

 我々は、天下りを根絶し、やる気と能力のある人材をどんどん抜擢して、本当に国のために活躍してもらおうとしている。そのための新たな幹部制度を提案し、給与についても、来年4月には民間準拠で全面改定することを明らかにしている。一方民主党政権は、来年の通常国会で労働基本権を公務員にまず与えてから給与削減について労使交渉を行う、という。労組依存政党ならではの限界だ。これでは、気概も責任感もない、金食い虫のよどんだ霞ヶ関になってしまう。来週以降、国会審議等を通じ、こうした問題点を強くアピールしていかねばならない。

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