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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2011/05/08(日) NO.656号 

米国の戦略的発想に学ぶ

 5月3日の昼前、国民新党幹事長・下地代議士、民主党糸川代議士と共に米国ワシントン・ダレス空港着。私が会長役を務める「3.11後からの日米同盟の発展を考える会」との超党派の会での訪米だ。午後には社民党の阿部知子代議士も合流。

 ベトナム料理屋さんでフォーをすすった後、私は東京財団からの誘いで、米・国防大学にある国家戦略研究所(INSS)おける「危機管理セミナー」に参加する。「鳥インフルエンザのパンデミックスが発生」との想定の下、国家リーダーとしてどう行動すべきかのロールプレイゲームで、政策実行のシミュレーションに挑戦しながら戦略的発想とは何か、を学ぶ。日本にはこうした「戦略的発想」を育てる教育がまだ殆どないと思う。INSSには、米国企業からも勉強に来るそうだ。

 夕方、バーナンキFRB議長と面談、米国経済や震災後の日本経済、世界経済について議論する。その後、藤崎大使公邸にて夕食を取りながら、米国の震災対応、日米同盟関係など諸情勢について情報交換。

 5月4日、ケント・カルダーSAISのライシャワーセンター所長と朝食を取りながら意見交換。彼とは、ハーバード大学行政学大学院留学時代に、同じアパートでお互いの子供をベビーシットし合う間柄だった。世界がダイナミックに変わる中、中国、朝鮮半島関連など東アジア関連での共同行動に止まらず、「世界の中の日米同盟」を深化させていくべき、との考えで一致。

 午後、国防総省にシファー国防次官補代理、ニューウェル統合参謀本部東アジア部長(准将)を訪ね、意見交換。まずは、今回の震災後の「トモダチ作戦」に対し、感謝の意を伝えたうえで、東アジアの安全保障環境変化などについて意見を交わす。とりわけ、米国側の沖縄・普天間移設関連予算の扱いについて議論を深める。ビン・ラディン殺害直後とは関係ないそうだが、写真付きIDを2つ持っていないと、ペンタゴン入り口のセキュリティーをパスできないほど厳しいチェックに、「安全保障の国」を感じる。日本が甘すぎるだけなのだろうが。

 続いてかつてサミットのシェルパを務めたブレナード財務次官を財務省に訪ね、特に、震災直後の為替市場での円高是正協調介入の音頭取りをしてくれたことに感謝する。「この後、ご主人(国務省・キャンベル次官補)に会いますよ」と言うと、「私は彼となかなか会えないのよね」と来た。お二人の超多忙ぶりを実感。米国でも議論の焦点となっている増税問題について突っ込んだ議論を交わした後、国務省へ移動、キャンベル国務次官補と意見交換、2+2の早期開催で一致。

 夜は沖縄に関する発言で国務省を離れたメア前国務省日本部長夫妻と夕食を共にする。私が官房長官時代に国防総省にいたローレス氏、元NSCアジア上級部長のパターソン氏が経営する会社に入り、当面、使用済み核燃料の処理をどうするか、に取り組むそうだ。