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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2011/10/04(火) NO.680号 

やはり「官高民低」の野田内閣

 野田総理は、9月15日の本会議では「真に必要な宿舎は作る」と言い、26日の予算委での私の質問には着工決断を「変更するつもりはない」と言い切った。しかし昨日、総理は大きく方針を転換し、突如朝霞公務員宿舎の建設を再「凍結」した。

 昨日、10分間程度の朝霞宿舎現地視察の後、地元住民との対話もないまま、安住財務相に対し5年間の建設凍結を指示。これに対し安住氏は、危機管理用を除く都心3区にある公務員宿舎の廃止・売却や幹部用宿舎の建設凍結を首相に提案し、首相も了承したという。私が国会で最初にこの問題を取り上げた時、両氏は頑迷に宿舎建設続行を譲らなかった。改めて世論の政治に与える強さ、偉大さを感じる。不完全で遅きに失したとは言え、野党である我々の意見を組み入れて即凍結したことは、ある程度評価できるのではないか。

 しかし結局「中止」ではなく、再び「凍結」。ほとぼりが冷めたら着工しようという官僚の未練も透けて見える。復興増税によって公務員宿舎を作る、という霞ヶ関の既得権益維持のための国民への安易な付け回しをするという政権の本質は、2年前の政権交代以来不変だ。また、「官僚との関係修復」を優先する野田内閣の真骨頂は、「中止」ではなく「凍結」と、とりあえず先延ばしにしたことにも表れているのではないか。

 昨日、野田総理が明らかにすべきだったことは「朝霞宿舎も方南町宿舎も建設を中止する。さらに、先進国にはない公務員宿舎制度そのものも原則廃止し、住宅手当化をする。資産は、売却・証券化などにより復興財源に充てる」という内容だろう。それでこそ初めて「政治決断」だ。