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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2012/04/19(木) NO.711号 

尖閣国有化:この1年半、何をしてきたのか

 既に盛んに報道されているが、東京都の石原慎太郎知事が沖縄・尖閣諸島の購入を表明した。予想通り中国が反発をし、国際的な議論になっているが、日本の国益を守る観点からは当然の考えである。今回の都知事の判断には賛同したい。

 これを受け、野田総理は昨日の衆議院予算委員会で、「こういう動きが出てきたことについて所有者の真意をよく確認したい。そういう中であらゆる検討をする」と述べたが、はっきり言って、何をいまさら、である。

 というのも、実は一昨年11月に、同じ衆議院の予算委員会で、民主党政権はこの尖閣国有化の問題を明確に突きつけられているのだ。質問者は私、答弁者は当時の菅総理だ。

塩崎 「私は、この尖閣を国有化すべきではないかと思いますし、何らかの施設を建てることをお勧めしたい。常時だれか日本人がそこにいる、ということが大事だ」
菅総理 「これまでのいろいろな経緯もあり、現在実効支配をしているわけですけれども、いろいろな考え方について、必要なところで、せっかくの御提案でありますから、検討させてみたいと思います。」

 菅政権下での尖閣対応の失敗に国民の怒りが最高潮に達する中で、NHKも生中継し、国民も見守る中で総理は「検討させてみたい」とはっきり回答した。それなのに、この1年半もの間、何も検討されてきた形跡がない。そして業を煮やした都知事の行動に、今となってみっともなく慌てている。

 現在国は1年毎の更新で、所有者との賃借契約を毎年度結んでいる。国の予算の単年度主義により、複数年にわたる契約ができないからこうなっているのだが、そのせいで所有者には、毎年のように中国の民間人や、中国関係者から買い取りのオファーが来ているという。この動きが更に加熱すれば、所有者の身の安全にも関わる。国が率先して国民と領土を守らないでどうするのか。

 私は同じ一昨年11月の予算委員会でこうも発言している。

塩崎 「(民主党政権になって、)日に日に、一日一日、領土が削られ、狭くなっているような気がする。こんなことで我が国を守り切ることができるのか。」

 これ以上わが国が削り取られていくのを、座して見ていてはいけない。政府を揺り動かす野党として、強く強く声を上げていきたい。