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2011/04/05(火) NO.648号 

原発のデューデリ、ストレステストを実施せよ(4月5日)

 初動の失敗、後手後手の対応、情報の逐次開示などが続き、我が国原発史上、最悪の事態となっている東電福島第一原発。事態に好転の兆しは全くない。にもかかわらず、政府の基本姿勢が心許ない。菅総理自らが責任を持って、東電としてではなく、日本政府としてのメッセージを日本国民と世界に向かって送るべきではないか。オバマ大統領は、早くに「米国の原発は全て安全だ」と、テレビを通じて国民と世界に向かって語りかけていた。

 我が国は全国に54基の稼働中の原発があり、それぞれ周辺に住民がいる。愛媛県にも四国の電力の4割を供給する伊方原発があり、30キロの同心円は、松山市の隣町まで来る。全ての原発が完全に安全でなければならない。それなのに、政府は3月30日にようやく、経済産業大臣が記者会見で「福島第一・第二原発事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策の実施について」を公表した程度。それも内容は普通の国民には分からない、余りにもテクニカルなもの。大した報道にもならず、国民の安心につながるメッセージにはならなかった。

 昨日、四国電力松山支店を訪問し、改めて伊方原発の安全性について話を聞く。いくつかの理由で福島原発のようなことはなかなか起こらない、との説明を受けた。

 まず、(1)そもそも伊方は、瀬戸内海という内海に位置するので、今回のような「プレート間地震」による大地震や16メートルもの大津波は想定しがたい、という。

 また、(2)今回問題となった津波の塩水をかぶってしまった最後の頼みの綱の「非常用ディーゼル発電機」が、標高10メートルに設置してあり、現在想定している最大2.63メートルの津波であれば、問題ない。

 さらに、(3)原子炉を冷やすための冷却装置として、電気なしで動く「蒸気駆動補助給水ポンプ」があり、冷却水を30時間程度は電気なしで送り続けることができるので、今回のような初動での失敗は起きない。

 (4)水タンク付き消火栓や給水車、消防車が横付けできる車寄せが標高32メートルにあるが、使用済み燃料ピット(プール)がそれより若干低いレベルにあるので、放水車などがなくても、冷却のためのピット水位維持は容易。なおかつ福島原発事故後、電源車の配備(7台)、建屋の水密扉の設置、外部電源確保のため、新たな電線の敷設なども行った、という。

 しかし、今回の地震は1000年に一回の規模、津波も明治以来の大きさだ。想定外のことはいつでも起きることがあり得る。それが危機管理だろう。

 ドイツでは、去る3月27日、州議会選挙があり、その結果南西部の州で、1953年以来キリスト教民主同盟(CDU)が一貫して占めてきた州首相の座を、「脱原発」の緑の党が得る可能性が高くなっている。

 日本政府が今すべきことは、国内全ての原発のデューデリジェンス(状況把握のための多方面からの調査)と、20メートル級の津波到来を想定したストレステストを実施して安全性をチェックし、その結果を政府として一元的に管理し、公表することだ。これは、全国民と世界に対する、日本政治の最低限の責任ではないか。

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