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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2012/10/27(土) NO.739号 

複雑化する国際金融規制

 昨日午後3時過ぎ、東京駅発の新幹線で軽井沢に向かう。軽井沢プリンスホテルにて開催される「第15回日米金融シンポジウム」に参加するためだ。この会議は私が初回から事務局の一人を務めてきたもので、わが国で金融危機のあった1998年の7月、米国マサチューセッツ州ケープ・コッドでの会合が第一回目だった。サマーズ財務副長官、榊原財務官がメイン・スピーカー、ガイトナー現財務長官も一人の参加者として一緒の分科会で議論したことが、昨日のように思い出される。

 毎年開催地を日米で交代させ、今年で15年目。昨夜はカクテルの後、中尾財務官が基調講演と質疑応答。当初は、米国財務省のロバート・ドナー次官補代理も講演予定であったが、大統領選挙間際なので、政策スタンスに関して誤解を招かぬよう、公式発言は控えるようにお達しがオバマ政権からあって、講演取りやめとなったそうだ。日本でありそうなことが自由の国、米国でもあるようになったことを知る。今回の大統領選はよほどの激戦、というあかしだろう。

 その後夕食会。さらに、かなりの数の参加者がホテル内のバーで二次会に流れ、経済や政治談議に盛り上がる。

 今朝8時から会議が始まり、まず今回は15回目、という節目のため、常連参加者のホワイトアンドケース法律事務所東京駐在のクリス・ウェルズ氏が撮り貯めた写真をビデオに編集、15年間の奇跡を視る。そして、第一セッション「金融危機後の政策対応をめぐる課題」が始まり、アフラック・ジャパンのレイク会長、三菱東京UFJファイナンシャルグループ加川明彦常務取締役がプリゼンテーション。レイク氏は欧米の金融危機後複雑化した国際金融規制の問題点と日本における規制の実態を語る。加川氏は日本の銀行が過去の不良債権問題への対処やその後の対応、豊富な預金などから相対的に国際的に地位向上したことを分析、報告。

 今回はその他の議題として、「財政の持続性回復」、「ユーロ危機の国際金融への影響」という大きなテーマを我々事務局が事前に選んでおり、じっくり議論をしたいところだったが、明日の国会事故調査委員会に関する野村弁護士、遠藤乙彦代議士との「フォーラム21」を含め、地元・松山での予定が数々あり、小雨の軽井沢を後に、松山に向かう。