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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2011/06/20(月) NO.665号 

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 今から1ヶ月以上前、五月の連休明けのある日、東京都仏教連合会というところから、突然議員会館に電話があり、講演の依頼を受ける。僧侶の皆さんに講演をするのは初めてだ。なぜなのだろうか、と思っていたが、どうやら私のメルマガをご覧頂き、講演で考えを直接聞いてみよう、と思って頂いたようだ。

 先週の金曜日、緊張しながらその講演を行う。タイトルは「東日本大震災を受けて、我々ができること、すべきこと」。

 まずは、東北の寺院の中でも津波で被災したり、原発で強制的に避難を余儀なくされるなど、明日をも知れぬ状態にあるところには、是非頑張って頂きたい。一方、私の高校時代の友人で、東京で務めている精神科医は、今精神科医会として地域分担をしながら、被災者の心のケアを続けているが、その話を聞いても、津波で何もかもを失った被災者の中で、深刻な精神的状態になりつつある方が多い、と言っていた。僧侶として、そうした方々の立ち直りに貢献頂きたい、とお願いする。

 一方、国家運営を見ると、自民党政権末期でも、国家全体としての「稼働率」は、おそらく7〜8割程度はあったのに対し、現状では、おそらく3〜4割程度でしかこの国は回っていない。日本人の力に疑問を持つ者はいないだろうが、その力を結集できない現状に、猛烈なもどかしさを皆が感じているはずだ。政治に食傷しても、政治なしの国家はあり得ず、これまでの官僚主導から、正しい政治主導に行くよう、日本の民主主義を成熟させなければならない。国家としてリーダーを養成するシステムに欠ける日本に、自己を犠牲にしても社会に貢献する若い人材を育成することも大事で、高齢者・障害者福祉、農林水産業、国際人道支援、自衛隊などの現場で、1〜2年じっくり経験を積む制度を導入することを提案する。

 また、米国マクナマラ元国防長官などベトナム戦争当時の両国の戦争指導者は、1995年からハノイにおいて6回にわたり一堂に会した。「南北の国家統一」、「インドシナ半島のドミノ的共産化阻止」という、両国のそれぞれの国家目標を達成できたものの、ベトナム人380万人、米国人58,000人もの犠牲者を出してしまい、その失敗の原因はどこにあり、どのようにすればこうした最悪の結果を回避できたのか、真剣に討議した。いわゆる「ハノイ対話」だ。世界規模での自己検証、民主主義の発露。日本においても、今回の甚大な津波被害も、原発事故も、なぜこのように最悪の状態を招いたか、自己検証を国家として行わねばならない。その意味では、国会に虚偽を許さない事故調査委員会を置くことは重要であり、これは、日本の民主主義の熟度がどの程度か、を示すことになろう、等々のお話を仏教会の皆さんに申し上げる。

 なお、事故調査委員会を国会に置く議員立法に関し、先週、みんなの党がいち早く共同提案を決定してくれた。公明党も目下真剣に法案審議を重ねており、近々結論が出る予定だ。立ち上がれ日本、も検討をしてくれている。一方民主党は、先週木曜日の段階では、今週頭に政調での法案説明に来てくれ、との申し入れがあったが、翌日になって、来週に延期する旨の連絡が入った。政府の調査委を否定するものではないが、政府に問題あり、と思っている世界は、政府自身による調査は信用していない。ここは立法府の良識、日本型民主主義の良識を示すためにも、与党・民主党が議員立法に賛成し、共同提案をした方がよい、と思う。国民新党にも投げかけよう。

 今週は会期延長問題で国会は荒れそうだが、この議員立法に関しては、政府に遅れることなく真剣な調査をスタートできるよう、急ぎ成立を目指して汗をかきたい。

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