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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2013/03/29(金) NO.757号 

がんばれ!済美高校

 第85回春の甲子園が熱い。
 愛媛県松山市からは済美高校が四国代表として出場。26日火曜日の第2回戦では、強豪広島広陵高校を延長十三回の末にサヨナラヒット、4-3で降した。

 232球を投げて完投した安楽智大君は、未だ2年生ながら4番打者でかつ152キロ球速の剛腕投手と、超高校生級の選手。スピードガンが普及した80年以降、152キロというのは、高校2年生の球速としては史上最高とのこと。各球団からのスカウトの注目を一挙に集める、愛媛から世界に羽ばたけるヒーローだ。私の家の真前にあり、次男の母校でもある道後中出身だ。

 しかし、広陵戦で安楽投手は13奪三振の力投の末、完封目前の九回に突然崩れて3点差を追いつかれた。しかしそれを救ったのが、サヨナラ適時打を放った3年生の金子昂平君だ。やはり、チームプレイあっての勝利だ。

 かつて済美高校は女子高だった。2002年に共学化し、宇和島東高の監督だった上甲正典氏を招聘し、野球部を一から創部した。2004年の甲子園では、あのダルビッシュ擁する東北高校をも打ち崩して、初出場にして初優勝を勝ち取った。

 栄光続きのように見えるが、その陰には苦労もある。上甲監督はかつて奥様を癌で失い、そのショックで宇和島東高の監督を辞任したのだという。しかし、生前奥様が「夫から野球を取ったら何が残る」とおっしゃっていたのを思い起こし、宇和島の薬店を閉店させ、直前まで女子高で何の蓄積も戦歴もなかった済美高校へ飛び込んだ。

 今週24日には、私も済美高校の宿舎、ホテルサーブ神戸アスタまで激励に行って来た。上甲監督とも話をしたが、厳しく指導しつつも、選手の体調を細やかに気づかう優しさをも感じた。

 済美高校の学園歌は、「やれば出来るは魔法の合言葉」というフレーズが知られている。いい言葉だ。まさに愛媛、四国全体の期待と希望を背負って戦う彼らにふさわしい。
 
 次回戦は明日30日午前11:30から。対するはこれまた強豪の九州代表熊本済々黌高校だ。松山市民、愛媛県民、四国全体の応援を背に、正々堂々勝利に向けて、全力で頑張ってほしい。