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2011/10/30(日) NO.683号 

タイの洪水、世界経済に影響も

 洪水に見舞われているタイでは、昨日「大潮」のピークを迎え、首都バンコク市街での浸水被害が広がった。今日も大潮が続き、更なる被害拡大が懸念される。水が引くのが一体いつなのかの見通しは立っていない。タイ経済はもちろんだが、世界経済への影響や、今後の世界のサプライチェーンの再編すら予想され始めている。

 先週20日(木)、私が会長を務める日タイ友好議員連盟の緊急会議を、ウィーラサック駐日大使、外務省、経済産業省、経団連、ホンダにも参加して頂いて開催、被害状況などを聴取した。その際、東日本大震災時に様々な支援をして下さったタイに対し、議連として義援金を出すべき、との意見を頂き、先週28日(金)に、私が大使館にウィーラサック大使を訪ね、議連からの義援金をお届けした。

 浸水しているタイの7つの工業団地に入居する企業725社のうち、日系企業は447社で、大きな被害を被っている。加えて、サプライチェーンの関係で、水害を受けていない企業でも生産停止等の影響が発生している。部品供給がストップしたため、トヨタのタイ国内生産はもとより、日本国内生産、さらに北米での生産をも減らさざるを得なくなっているなど、影響はタイ以外にも広がりつつある。

 洪水発生当初から、タイにメイン工場をもつ、愛媛県出身の方が経営する会社と連絡を取り合っているが、事態は深刻だ。この会社は、様々な精密小型スイッチを製造しており、これらの部品なしには、自動車もコンピュータも生産できないという。とりわけ、ノートパソコンのドライブのスイッチでは、世界の9割以上のシェアを誇ってきており、洪水発災以来、世界のコンピュータメーカーが困っているようだ。

 工場は胸まで浸かる水に没したままで、1階にある製造設備はもう使えない可能性大。一方、生産の要である「金型」は2階に避難させており無事なので、世界のノートパソコン生産継続のために、目下、金型を工場からボートで運び出し、日本の福島県・いわき工場に搬送中、という。実は、このいわき工場、3月の大震災で被害を受け、いわき工場での生産を諦めて、製造設備をタイの工場に移したばかりで、再び生産を行うため、中古の生産設備をかき集めつつあるほか、新たな設備も発注するようだ。

 当面、こうしたサプライチェーンの変更の必要性は随所にあるはずで、世界経済に大きな影響があること必至ではないか、と思う。となると、このような洪水が構造的に回避できる、という確証を持つことが、タイへの進出をした企業にとって大事だろう。根本的な水害対策が行われなければ、タイ経済も復活しないし、サプライチェーンの変更も不可避となり、その影響は計り知れない。

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