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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2012/02/15(水) NO.698号 

「菅直人リスク」を避けるには

 本日、衆議院予算委員会で政府が国会に提出している「原子力規制庁」案について、質疑を行なった。

 まず今回の事故の教訓として考えるべきことは、平時と緊急時の原子力規制を分断するという世界の非常識を改めることだ。放射線モニタリングにせよ、炉の規制監督にせよ、平時と緊急時で権限が移り変わることで、問題が深刻化した。

 また、菅前総理ら政治家がSPEEDIの公表を差し止めたり、ベントをしろ、海水注入は止めろ、浜岡原発を止めろ、玄海原発の再起動を撤回しろなどと、法的根拠もない思いつきの命令を次々出し、国民不安を煽るばかりか、原子力規制全体に対し、大きな信用失墜と混乱を与えた。言うなればこの「菅直人リスク」を、どう根絶するか。

 私は別に菅前総理の個人としての人格や人柄を批判しているのではない。「何にでも政治が口を出したい」のは菅さんに限らない、政治家の習性のようなものだ。だから「菅直人リスク」を抱える総理は、今後いくらでも登場する可能性はある。しかしIAEAの国際専門家調査団報告書は、政治家が原発事故のような重要な局面で、専門的、技術的判断に介入すべきではなかったと、鋭く指摘している。

 野田総理は昨年9月、国連で、「規制と利用を切り離」し、さらに、「規制の一元化」を図り、もって「原発の安全性を世界最高水準に高めます」と、高らかに約束して来た。しかし、IAEA安全基準で定める権限、人事、予算、いずれの分野の独立性も、環境省の外局では確保できない。IAEAの安全基準を満たすには、「3条委員会方式」のような独立性の高い仕組みにしなければならないはずだ。

 審議を通じて明らかになったのは、今回のような大惨事を未然に回避し得る規制体制を再構築する、との当初の大目的はどこかに吹き飛び、官僚の抵抗により、官僚の権益維持のため、独立性のない「第2保安院」が新たに誕生した実態だ。

 原子力発電所事故で住み慣れた故郷を追われた多くの被災者、避難者、そして被ばくをしてしまった方々の想いに報いるためにも、世界基準にしっかりと適合した、強固な原子力規制機関を創設しなければならない。

 本日の予算委員会の質疑で配布した資料を以下にご紹介するとともに、動画でも公開します。是非ご覧いただければ幸いです。


【配布資料】
http://www.y-shiozaki.or.jp/pdf/upload/20120215142159_Eram.pdf
【委員会質疑動画】
http://youtu.be/_2idWYl9RtY

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