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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2012/03/08(木) NO.701号 

今こそ「空気」に抗う覚悟を

 昨日の朝、私が座長を務める自民党原子力規制組織PTと関係部会の合同会議で、福島原発事故独立検証委員会、いわゆる「民間事故調」の北澤宏一委員長を招き、改めて同委員会の調査・検証報告書についてご講演いただいた。報告書は3月11日に一般にも市販される予定だが、今、既にアマゾンのトップランキングにも位置しているとのこと。国民の関心の高さがうかがえる。
 
 講演で北澤委員長は「安全対策が不十分であったことの問題意識は、関係者が皆共有していたが、『私一人流れに棹をさすことを言っても仕方がない』という『空気』が原子力関係者の中に蔓延し、組織が困るかもしれないことは発言せず、自分の任期が終わったらもう関係ない、という『日本社会独特の特性』から惰性が生じ、流されるままに行動して不完全な安全規制につながった」と指摘しておられた。

 報告書にも記載されている言葉だが、この「日本社会独特の特性」程悲しいものはない。よく使われるこの表現には、「日本人には、絶対にこの習性から逃れられない」という諦めと、「日本人はこうだから、仕方がない」という免罪が含まれているからだ。しかし、これを改めない限り、日本に明日はない。

 かつて原発という「夢のエネルギー」の推進は、自民党内のみならず産業界も含めた国是であった。1969年に連載を開始し、今や国民的な漫画となっている「ドラえもん」の主人公は原子力で動いているという設定だ。この「夢のエネルギー」を促進する流れに逆らい、それを押しとどめるような厳しい規制を課すのは、容易なことではなかったのだろう。しかし、今、日本に必要とされるのは、そうした「空気」に流されない反骨精神だ。

 政府はIAEAの安全基準に180度反する考え方に基づき、環境省の傘下に置く、独立性の全くない「原子力規制庁」を設置することを定めた法案を提出している。私は自民党内で対案の議論を任されており、IAEA安全基準に則った、厳格かつ必要な独立性が担保される案をまとめつつある。しかしわが党内でも「せっかく政府案でまとまりそうなのに余計なことを」、「環境省傘下ならなんとなく良さそうじゃないか」という、大きな流れに身を任せる「空気」が、残念ながら結構ある。

 苦難する多くの福島の被災者は、我々政治家の怠慢故に起こった「人災」の被害者とも言える。是非、福島の被災者のみならず、国民全体に、ひいては世界に信頼され、納得してもらえる厳格、かつ確実な独立性を有した原子力規制組織発足に向けて、引き続き党内で「空気」に抗う議員として、頑張り続けたい。

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