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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2013/10/13(日) NO.775号 

古き成功モデルからの決別

 連休明け15日(火)から臨時国会が開かれる。第一の矢、第二の矢、第三の矢と、次々と射られたアベノミクス政策。円高とデフレは改善方向に歩み出し、株価も上昇、9月には2020年東京オリンピック・パラリンピック招致決定も加わり、将来に向けての国民の期待はかなり前向きとなった。

 そんな中で開かれる今臨時国会は、産業競争力強化法案など、成長戦略関連法案の審議が最重要となる。安倍総理の名付け通り「成長戦略実行国会」だ。強い日本の復活にとって、大事な国会となろう。

 今国会から、私は衆議院予算委員会筆頭理事という、国会の主戦場で戦う重い任務を与えられる事となった。これまで安倍政権を党側から支えてきたが、今後は国会でも日本復活のための前線に立つ。全身全霊で臨む覚悟だ。

 今国会には、私がかねてから深く関わってきた法律が何本か提出される。原子力規制委員会の能力を飛躍的に向上させるためのJNES(原子力安全基盤機構)統合法案は、一昨日11日、私が座長を務める原子力規制PTと環境部会合同会議で了承され、内閣提出法案として国会上程されることとなる。

 嬉しいことに、先週水曜日、公明党政調全体会議で、野党時代の昨年夏前頃から自民党内の同僚議員とともに議論を重ねて来た、「公正競争条件確保法案」が了承されたという。これで22日の与党政策責任者会議を経て自民党・公明党共同提出の議員立法として国会に上程される見通しとなった。この法案は、「業者行政から競争政策へ」として自民党・日本経済再生本部「中間提言」においても正式提案したもので、戦後日本の経済政策の大きな転換点となる意味深い法律だと自負しているだけに、国会提出までこぎつけた事は感慨深い。

 法案の柱は、公的資金など政府による企業再生支援が、公正かつ自由な競争の条件を歪める可能性があることを認め、公正取引委員会が、公的資金による再生支援や許認可権等を通じた支援など、政府による私企業支援を行う際に留意すべきガイドラインを策定することである。

 政府の政策による影響を含めた本当の意味での競争政策の理念が、これまで日本にはなかった。その点からも、今回の議員立法は、ある意味でこれまでの戦後日本経済の成功モデルの一つであった「官僚統制社会主義国家」にも近い、国による過度な関与から脱皮し、民間企業がルールに基づく公正・公平な競争の下で雇用と所得を最大化するようになるための大きな改革なのだ。

 「再び強い日本へ。」これは総選挙の際、私自身の選挙公約として、有権者の皆様にお示しした約束だ。この実現のためには政府、自民党双方の「成長戦略」にあるような果断な改革を続けなければならない。