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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2012/06/28(木) NO.719号 

直ちに本気で成長戦略、ムダ撲滅を

 一昨日、社会保障と税の一体改革関連法案が衆議院本会議で可決され、参議院に送られた。民主党は、反対57名、棄権・欠席15名、合計72名の造反を出しながら、分裂回避に全力を挙げる輿石幹事長の方針により、除籍処分などのけじめを付けないまま、参議院での審議を始めようという。何としまりのない政党だろうか。

 衆議院では、残念ながら、私が唱えていたような「国のかたちと税の一体改革」といった大きな議論にはならず、あくまでも「社会保障と税の一体改革」という「小さな土俵」での限定的議論に終始したまま審議が終わってしまった。約13兆円、現在の税収の3割にものぼる増税を国民に納得して頂くには、まだまだ議論を深め、国のあり方、政府のあり方などの選択肢を国民に示し、選んでもらわねばならない。中でも成長戦略は、そもそも増税論議以前から競争力回復や空洞化阻止、産業構造改革の観点から重要課題であったにもかかわらず、私が主張し続けてきたような根本対策が殆ど打たれないまま今日まで来てしまった。

 6月19日のメルマガで提案したように、自民党は直ちに谷垣総裁を本部長とする「成長戦略実行本部(仮称)」と「行革断行本部(仮称)」を、各都道府県連と共に立ち上げるべきだ。党本部は国レベルの戦略提案をがっちり行い、与党であるケースが多い都道府県連は都道府県・市町村レベルでの実際の成長戦略構築が出来る。そして国、地方を問わず、税金のムダ遣い、天下りの撲滅などの本格的な行政改革に、自民党が全国、全党挙げて本気で取り組むべき時が来ている。

 今回の一体改革論議において、将来の社会保障におけるバラマキを押さえ込んだかも知れないが、同時に、民主党政権発足後、10兆円以上も増えてしまった歳出面でのバラマキ削減も我々は忘れてはならない。生活保護費の約一兆円増大、高校無償化毎年4000億円などは典型例だろう。一日も早く自民党本部に「民主党バラマキ政策撲滅チーム(仮称)」を立ち上げ、この二年九ヶ月間に行われてきてしまったムダに切り込み、「ムダを温存しながら増税」という事にならないようにする事を提案する。

 2014年4月、および2015年10月にそれぞれ消費税を3%、2%引き上げるが、その半年前に、その時点での経済情勢を考慮して改めて時の内閣が判断する。しかし、今の野田内閣は経済に全くと言って良いほど関心がなく、このまま民主党政権が続けば競争力強化が図られず、経済好転なきまま増税だけが予定通り行われる可能性大だ。経済が軽視されているだけでなく、加えて外交・安全保障、領土、教育等々、あらゆる面で日本が危うくなっている。従って、参議院での審議が始まって、いつの時か法案成立か民主党政権打倒、との選択肢が迫られた時は、自民党は迷うことなく政権打倒、解散総選挙の道を進むべきだろう。国民の信が得られた後は、政治を再び仕切り直すチャンスだ。