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2012/07/05(木) NO.721号 

実った「憲政史上初の試み」

 本日午後1時、国会原発事故調査委員会の最終報告書が、国会内で両院議長に提出された。私も原案となった法案の筆頭提案者として、また委員の人選含めて発足に向けて汗をかいた一人としてその場に同席し、感慨深くその手交式を見守った。

 全641ページの報告書本体の他に、「参考資料」「会議録」、そして説明用の「ダイジェスト版」「要約版」がセットとなっており、相当なボリューム。ズッシリとした重みが、黒川事故調委員長の手から、議長の手に渡ったのが伝わる。(報告書はhttp://naiic.go.jp/report/からダウンロードできます。)

 私は昨年12月8日、この委員会立ち上げの時、両院議院運営委員会合同協議会に居並んだ10人の事故調委員に対して、自民党を代表してこう申し述べた。

「この委員会は、国家の失敗、政府の失敗、政府の監督を受ける電力会社の失敗、これを国民の代表たる立法府が真相解明をする、そして、国会議員によってではなくて、国会議員からお願いをした民間の専門家の皆さん方に、客観的、科学的にこの事故原因を徹底的に究明してもらって教訓を引っ張り出して、再発防止などの将来のための役に立てさせていただきたいというものでございます。」

 その期待に十分応えてくれた。報告書では、今回の事故は「あきらかに『人災』」、と明確に、痛烈に指摘しているが、これは、自らは悪くないと自己弁護に徹した東電の社内事故調査委員会や、事故対応と被害拡大の当事者である菅総理に任命され、法律上の調査権限は何も与えられなかった政府の事故調査委員会には、全く不可能なことであった。

 事故の根源的な原因として、規制機関と電気事業者との力関係の逆転があり、「監視・監督機能の崩壊が起きた」とも指摘。この結果、事前の災害対策が十分なされなかったとしている。これらは、自民党政権時代に起因する事象も多い。また、事故の直接的原因を地震ではなく津波と断定している民間事故調や政府事故調に対し、「地震による損傷はないと確定的には言えない」と新たな可能性をも示唆した。

 同時に、今回の報告書では事故の原因究明だけにとどまらず、将来への提言も盛り込まれている。その中では、原子力規制機関の人事における「ノーリターン・ルール」の即時完全履行や、透明性の高い委員選任のあり方など、同じく私が法案原案の筆頭提案者として汗をかいた原子力規制委員会関連政策についても、多くの示唆を得ることができる。

 限られた期間で、かつ憲政史上初の試み。国会事故調も試行錯誤の連続で、大変な難業であったことは想像に難くない。精一杯の御尽力をいただいた黒川委員長以下、委員の皆様に深く感謝したい。黒川委員長は提出に際し、「国会の使命」として提言を実行してもらいたいと述べた。私も同感だ。国会はこのご努力に必ずや応えねばならない。

※ この国会原発事故調査委員会立ち上げに際し、国会等で奮闘した様子を一冊の本にまとめ、昨年末に出版しています。(http://www.amazon.co.jp/dp/4905156033/)

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