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日本経済新聞-2003年1月29日掲載記事

会計士法改正 投資家保護に重点 「監督体制強化も不可欠」

通常国会への提出に向けて公認会計士法の改正案作りが大詰めを迎えている。監査を担当する会計士の交代制や、監査とコンサルティングとの同時提供の禁止などが柱。自民党の企業会計に関する小委員会と商法小委員会で委員長を務める塩崎恭久衆院議員に法改正の狙いを聞いた。

法改正の焦点は。

「会計士法の改正は、日本の資本市場の質をどう高めるかという重要な問題だ。会計士法は1948年に作られて以来、ほとんど改正されずにきた」
「現在の会計士法には『投資家を保護するために会計士が存在する』という哲学が足りない。資本市場のインフラとしての会計士の立場や役割を法律で明確にし、会計士には投資家に対する公の責任を負ってもらわなければならない」

監査の独立性を確保するために、企業の担当会計士を5年か7年で交代させる案がある。

「重要なのは会計士に対する投資家の信頼を高めることだ。監査法人そのものの交代も検討すべきではないか。監査法人が『大事なお客さんを失うわけにはいかない』という姿勢であれば、企業と癒着しているのではと怪しまれても仕方ない」
「現在は公認会計士協会が自主的に実施している会計士の研修制度を法律で義務づけるように求めているのも、監査の品質を疑われないようにするのが狙いだ。会計士には胸を張って監査をやってもらわなければならない」

会計士業界からは会計士に対する規制が強まることを懸念する声もある。

「誤解されることが多いが、いま必要なのは投資家に信頼される証券市場を作ることだ。上場している企業に対する証券取引法上の監査を強化することが狙いであって、すべての会計士に対する規制強化ではない」
「試験制度を簡略化するなどして会計士の人数は増やす。企業内会計士など会計士のあり方は多様化することになるし、当然自由に競争すればいい」

粉飾決算など不正の責任は会計士ではなく、企業経営者にあるのでは。

「確かに一義的な責任は経営者にあるが、投資家の保護を考えれば、会計士の責任も明確にすべきだ。もちろん会計士法ではすべてが解決するわけではないので、今後は証券取引法や商法の改正につなげる」

監査に対する監督官庁の監視体制も改正案の柱だ。

「監査の実態を監視すると言っても、現在の金融庁の体制では人員数も専門性も不足している。担当部署である企業開示参事官室には22人しかいない。このうち会計士資格者はたった2人だという。これでは企業の決算や監査の中身を十分にチェックできない」
「このため、日本にも米証券取引委員会(SEC)のように法律立案、執行、摘発の機能がそろった協力な組織が必要だ。行政とは距離を置いて銀行決算も監視できるような仕組みにする必要がある」

会計士法改正案の骨子
・会計士の使命の明確化
・監査とコンサルティングの同時提供の禁止
・担当会計士の交代制(5年または7年)
・試験制度を簡素化、実務経験者の科目の一部免除
・会計士の研修制度を義務化
・直接監査していない会計士の責任を限定
・監査法人に対する監視体制の強化