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朝日新聞-2002年3月30日

会計監査のあるべき姿は

―― けじめが必要な公認会計士と企業との関係で、なれあいが指摘されたこともありました。
「かつて銀行の決算を監査した会計士は、銀行の財務担当者と共にに旧大蔵省に出向き、おうかがいをたててから監査報告書にサインをした。こうしたもたれ合いが、多くの問題を生んだ。会計士は『資本主義の土台を担っている』というプライドを持ち、当局や企業から独立して勝負する姿勢でなければいけない」

―― 日本では会計士の社会的な役割が不明確という指摘があります。
「そもそも公認会計士法には、法の目的も会計士の役割も書いていない。一方で、監査法人の住所変更にも首相の認可が必要など監督当局の権限が絶大、というちぐはぐさがある。使命や会計監査の目的を法に盛り込むことが、まず必要だ。監査のあり方が変わったのだから、新しい時代にも対応できるよう、さらに法改正もすべきだ」

―― 金融庁など当局側の改革も必要では。
「米証券取引委員会(SEC)の業務の根幹は投資家保護だ。これに対し、日本はずっと『業者行政』で、証券取引等監視委員会ができた後も、十分に機能していない。これからは株式や債権など直接金融機能の役割が強まる。投資家保護の観点から情報開示ルールを整備する一方、市場を育て、投資家教育も行い、準司法的権限をもった独立した強力な日本版SECに改革しなければならない」

―― 日本のお手本だった米国で監査の信頼性が揺らいでいます。
「エンロン側はコーポレートガバナンス(企業統治)の問題が問われ、(監査を担当した)アンダーセンは監査とコンサルタント業務をどうやって厳格に分けるかなどが問われている。日本でもいずれ議論になる問題だけに、今から十分に勉強しておく必要がある」