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日経金融新聞-2002年2月15日

公的資金再注入 来月末までに(既に金融危機状況国有化も視野に)

17日からのブッシュ大統領の訪日を控え、公的資金による銀行への資本再注入をめぐる議論が盛んになっている。金融庁は再注入に慎重だが、自民党からは再注入は不可避との声も出ている。再注入論者の一人である自民党の塩崎恭久金融調査会副会長は14日、日本経済新聞記者に対し、金融システムの安定には3月末までに公的資金再注入が必要で、金融庁は慎重姿勢を転換すべきだとの見解を明らかにした。

会見内容は次の通り。

<日本金融システムを不安視する声が強まっている?>
ささやかれる危機の対象は主要行だと思う。かつて注入した公的資金や、税の繰り延べ効果を除くと資本不足になり再注入せざるを得なくなる水準にまで自己資本比率が下がる。

<危機が訪れる前に予防的に注入すべきだとの立場か?>
違う。予防ではない。既に金融危機の状況なっている。一行一行について厳格な資産査定をして、きちんと引当を積めば自然と主要行の自己資本比率は表向きに公表している数字から下がって注入せざるを得なくなる。再注入では済まない銀行が出てくる可能性もある。完全な国有化や、一部国有かも視野に入ってくるだろう。

<金融庁は現時点で再注入の必要性を認めてない>
政治治しての金融危機の状況を放置する選択肢はない。そんな無責任なことはできない。市場で答えを出され、それを後追いして再注入するのが最悪のシナリオだ。

<1999年3月に大手銀行に7兆円を越える資本を注入したが?>
前回の注入は結果として失敗だ。定義として健全行に資本注入して、もっと健全になるという国家的フィクションを作ったからだ。株主と経営者の責任が明らかにされなかった。さらに不良債権と表裏の関係にある借り手企業の再生についても結果を出せなかった。銀行が借りて企業に本格的なリストラを迫れなかったためだ。ゼネコン(総合建設会社)がいい例だが、債権放棄の原資に使われ、不振企業の温存につながった。
4月にペイオフが解禁されるので3月末までに金融システムを安定させなくてはならない。再注入によっていい銀行部門と、悪い銀行部門に分けて金融仲介機能を回復させ、日本経済の活性化につなげる。世界に向かって日本の金融システムは地盤になったというメッセージを伝え、日本に投資が入ってくるようにすべきだ。
金融庁は前回の失敗を早く認めて、方向転換することが大事だ。失敗を認めないために、国民に分からないようにハンドルをゆっくりゆっくり切ろうとしているように見える。しかしそれでは結局国民の負担が拡大する。

<再注入額の規模は?>
主要行の厳格な査定結果にもよるが、金融危機対応勘定にある15兆円の範囲で可能であろう。金融庁は注入の根拠となる材料を持っているはずだ。