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週刊東洋経済「視点」-2001/11/10 号

インターナショナルスクールを「国際化」せよ

かつて二人の息子をセントメリ-ズという都内のインタ-ナショナルスク-ルの小学校へ四年間通わせた。教育委員会からは「就学義務違反」との警告を再々受けた。
法的に同スク-ルは「学校」でなく「各種学校」で、高校や大学への受験資格にも制限がある。子供の教育は親の裁量の範囲内ではないかと思いながらも、子供達は引越しで日本の小学校へ転校したため、この問題とはいったん離れた。

ところが最近、都内某インタ-ナショナルスク-ルに勤める友人から、問題解決が全く進んでいないと聞いた。最も驚いたのは、原則として「どんな外国でも正規の現地高校を卒業すれば日本の大学受験資格が発生するが、日本のインタ-ナショナルスク-ルを卒業しても資格はない」との法体系だ。また、同スク-ルを卒業する日本国籍を持つ者は、日本の高校受験に際し「中学卒業程度認定試験」をパスする必要がある。
不登校児や外国人は一五歳で受験できるが、彼らは義務教育後の一六歳にならないと受けられない。一年間のペナルティを食らうわけだ。 これでは日本人も外国人も、同スク-ル卒業生の大半は日本を離れてしまう。「学校」でないから税制面などの恩典もなく、授業料が異常に高いため、利用者が限定されてしまう。結果、こうした不都合が、外国人から見て日本が住みづらい国である理由の一つになっているのだ。

米シリコンバレ-でのIT文化の繁栄に、外国人の貢献は不可欠だった。日本も「e-Japan戦略」遂行のため、諸外国の優秀な技術者の受け入れ態勢早期整備が待ったなしだが、子弟の就学問題は重要だ。残念ながら6月のIT重点施策基本方針(IT戦略本部)を見ても、「国内及び海外における日本語の学習環境の整備等を促進する」との指摘があっても、国内での英語・国際化教育には触れていない。日本がIT分野で遅れてしまった原因の一つが、IT共通言語である英語文化への疎遠さにあったことは明らかだ。

インタ-ナショナルスク-ルを「学校」と認知することによる正規教育の空洞化を恐れているのだろう。が、ダイナミックで開かれた日本を築くには、多様な価値観と個性を持つ人材を大学などにも受け入れ、社会でもどんどん活躍してもらう必要がある。
そのためにも国内のインタ-ナショナルスク-ルをさらに「国際化」させる工夫をすべきだ。

たとえば、まずは国際バカロレアなど認定団体の認定を取得した学校については、日本の全大学の受験資格を認めるというのも一つの考えではないか。日本にある「フランス学園」と「ドイツ学園」の卒業生は、母国での大学受験資格とともに、政府間取り決めにより、日本の大学受験資格もすでに認められていると聞く。

その場しのぎの政策ではなく、日本が外に向かって開かれ、真の国際化が進む中で、世界のダイナミズムとともに発展するための一貫した政策を持つべきだ。