トップ > マスコミファイル

マスコミファイル MassMedia File 塩崎やすひさに関する取材、記事をご覧いただけます

  • 全タイトル一覧
  • バックナンバー

現代ビジネス-2012年11月20日掲載記事

安倍自民党の最優先課題は「新しい自民党」の確立だ! 「古い自民党」からの抜本的な変革なくして政権奪還なし!(現代ビジネス)

自民党政権奪還のチャンス。その前に、安倍総裁誕生で自民党再起動。

"自民党政権に戻って良かった!"と心の底から思われる自民党に。

「元祖・党改革」の安倍晋三が、世代交代、実力本位の登用などを進め、もう一度信頼に足る自民党を、創り直します。




 これは、安倍晋三・自民党総裁が誕生した今年の9月の総裁選で配布された安倍マニフェストの、末尾に記載された文言だ。私は安倍選対では政策担当責任者として、マニフェストづくりを支える立場であったため、この箇所については特段の思い入れがある。

 先週16日に国会が解散され、私も含め全衆議院議員が失職し、来月16日に予定される総選挙を迎えることになる。「選挙の洗礼」を受けて、再び永田町で仕事ができるのは何人いるのか。何度経験しても、選挙を前にすると、緊張感が走る。

 今回、我々が選挙戦に臨む際、決して忘れてはならない事は、「なぜ自民党は2009年の総選挙で政権を失ったのか」ということである。それに対する真摯な反省と、精緻な分析なくして、民主党の敵失に浮かれていては、再び国民にそっぽを向かれることは必至だ。

 自民党が、離れつつあった国民一人ひとりの心をつなぎ止め、再び国民の意識の中で政権政党選択肢として本格浮上し、政権奪還を果たすには、自らの過去の総括に基づき、その良き伝統は守りながらも、「自民党は変わった」と国民に思ってもらうこと、そのためには聖域なき抜本的党改革断行への決意を示さねばならない。

国民意識に立ちかえり「真の国民政党」へ

 自民党が有権者の支持を大幅に失ったのは、自民党が国民の不安や痛みを十分共有していないのではないか、国民一人ひとりの心とつながり、相互コミュニケーションを図ることが思うに任せられないようになってしまったのではないか、との負の評価だったと思う。

 すなわち、自民党は長期にわたり政権を担当する中で、ダイナミックに変わりゆく国内外の諸情勢に対し、新たな国家ビジョンや新たな政策体系を明確に打ち出すことなく、特定業界や特定集団の利益を重視している、との印象を持たれてきた。また、生活者、消費者、患者、そして弱者の声を直接聞き、取り入れる姿勢に欠けている、との厳しい目線に晒されるようになってきた。国民意識から離れ、敷居の高い政党となっていたかも知れないことを率直に認めざるを得ないだろう。

 ここで表面だけ取り繕う改革を行っても、断たれた国民との絆やコミュニケーションチャネルの再生は果たせない。断行すべきは、強く、開かれた日本の復活に役立つ「真の国民政党」、すなわち「生活者のための政党」、「中小・零細企業のための政党」、「地域のための政党」など、あらゆる国民から生の声を吸収でき、透明な意思決定を持ってそれらの声にスピーディーに政策で応えられる、新しい自民党への生まれ変わりだ。

国民各層の声に耳を傾けるヒアリングを徹底

 この3年間の民主党の悪政ぶりは、目を覆わんばかりだった。それは日本国民なら誰しも周知のことであり、ことさら説明する必要はないだろう。

 しかし、それに対して自民党から国民へのメッセージ発信はどうだったろうか。国民に期待を抱かせるに十分なメッセージを発してきただろうか。残念ながら、今次総裁選挙以前は力強い、明確な情報発信、意思表示にいささか欠けていたと言わざるを得ない。

 自民党的政治を批判し、「脱官僚依存」、「コンクリートから人へ」、「行政刷新」など、あたかも「小さい政府」を目指すかに思えた民主党政権が、実は自民党時代よりも毎年10兆円以上も歳出を増やしてきた。民主党のバラマキ政策こそが日本の将来を食い物にし、だから特例公債発行でも、バラマキによる国民負担増の部分に関してのみ反対していたことが、十分に国民に伝わっていただろうか。答えはNOだ。

 自民党に今必要なことは、これまで十分行ってこなかった国民各層からの意見も聞く、という基本姿勢の転換を明確に示す事だ。まずは、自民党各都道府県連の幹事長等地方の代表者から頻繁に意見をぶつけてもらうべきだ。

 そして、業界団体や中央官僚組織など、これまでのようにいわゆる「供給サイド」に重きを置き過ぎず、消費者、患者など「需要サイド」にもしっかり耳を傾ける姿勢に転ずることだ。また、当面は住宅、自動車、医師会、中小企業団体など、消費増税のマイナス面を懸念するあらゆる団体から、徹底的にヒアリングを行い、本音を聞く事が重要だ。

 次に重要なポイントは、「世代交代、実力本位の登用」の部分だ。自民党のイメージとして一番強いのが、「派閥」、「長老支配」といった、上位下達の硬直した決定メカニズムだ。しかし、今回の総裁選で、同じ派閥から候補者が二人出たことからも明らかなように、その存在の実態はなくなった。そもそも、今回の総裁選で党員票で優位となり、決選投票に臨んだ石破幹事長は無派閥だ。

新生自民党に向けて

 もちろん、既に自由民主党は、野党転落以来、かなり変わって来ており、派閥の役割もかつてのように、人事に介入し、党内コンセンサス作りの要となるようなものではなくなっている。派閥が果たしてきた、選挙互助や新人発掘などといった機能を、党本部がいかに代替していくか、これが「生まれ変わった自民党」の証明には必要なことだろう。

 国民多層の声を吸い上げるという点においても、人材確保のあり方は重要だ。かつての安倍党改革の際に、自民党では候補者の新規発掘においては原則公募制度を導入することにし、規定も整備した。現在ではほとんどの候補者が公募で選ばれてきている。今回の衆院選もさることながら、選挙期日が確定的で、しっかりとした審議ができる参院選ではなおのこと、公正かつオープンな公募を徹底しようと、各都道府県で努力している。

 私もかつては党改革実行本部事務局長、そして昨年6月までは党改革委員長を務めた身だ。国民の信頼を回復し、「全く新しい政党に生まれ変わった」との評価を再び得て初めて自民党は甦る。安倍総裁の下、自民党再生に尽力する覚悟だ。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34108

バックナンバー

Governance Q 対談記事
Governance Q-2023年5月9日掲載記事
Governance Q 対談記事
Governance Q-2023年4月20日掲載記事
世界のサカモト、僕の坂本 前衆院議員塩崎恭久さん 坂本龍一さん追悼
愛媛新聞ONLINE-2023年4月14日掲載記事
開始延期を支持した「大臣談話」公表の真意―塩崎恭久元厚労相に聞く
日本最大級の医療専門サイト m3.comインタビュー記事
FRIDAYインタビュー記事
FRIDAY-2023年3月22日掲載記事