塩崎やすひさ | やすひさの独り言

NO.109号　2001/01/01
石上の花

　私は若い頃から山歩きが好きだが、可憐な花が岩のほんの小さな窪みに咲いている姿に感動することがある。禅の言葉に「石上花ヲ栽エテ後、生涯自ラ是春」という言葉がある。石上に花は育たないと皆は言うかも知れない。が、植える人が植えれば根付くだろう。あきらめることなく困難に向かい努力を重ねれば、きっとやがて固い石の上にも花を咲かせることができるのではないか。
　たくさんの課題を抱えたまま新しい世紀に漕ぎ出す日本の大きな転換期に立ち、自分に与えられた役割を考えている。自然の秘めたる大いなる力を信じ、花が咲くのを夢見て石の上に苗を植えつづける。そんな人生でいいのではないかと考えている。
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