NO.705号 2012/04/02
国民の安全のために譲れない原則

新しい原子力規制組織についての、自民党内調整が大詰めに来ている。現在政調会長及び代理・副会長レベルで鋭意調整をしていただいているが、最終的にはその案を私が座長を務めるPTに諮り、その結論を党の正式案にすることになっている。自民党の叡智と良識、そして正義に期待したい。
IAEAの「基本安全原則」には、「規制機関は、以下を満たさなければならない」として、
―自らの責任を完全に果たすために適切な法的能力、技術及び管理の能力、並びに人的、資金的資源を有すること
―利害関係者から不当な圧力を受けることがないように、許認可取得者及びその他の全ての機関から独立であること
―施設と活動の安全性(人と環境を含む)と規制手続きについて周囲の団体、公衆、許認可取得者及び情報メディアに伝達する適切な手段を有すること
―適宜、開放的で誰でも参加しやすいプロセスにより、周囲の団体、公衆及び利害関係者の意見を求めること
と定めている。
この基本安全原則にのっとれば、規制機関には、(1)独自の勧告権がなければならず、(2)規則の制定、改正に関する独立性、(3)原子炉規制法上の許認可の付与・取消、検査、報告徴収と罰則に関する独立性を有し、(4)予算を独自に要求でき、予算執行・管理を行なうことができ、(5)独自の人事権を有し、(6)緊急時に、事業者及び政府機関に対し、独立した助言を行うことができなければならない。
私が党内の議論でよく言っているのは、「IAEA安全原則・基準は世界の『最低基準』だ」ということだ。これを当然のこととして満たした上で、更に厳しい安全のための規制・基準を、人類史上最大最悪の事故を起こした国として、定めなければならない。
事は福島の被災者の方々のためだけではない。人類全体の安全、世界全体の環境保護のために、自民党は責任野党として、「譲れない一線」を政府に提示すべきだ。
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