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2011/11/10(木) NO.686号 

緩んだ資本主義

 オリンパスの損失隠し問題で、自民党法務部会、財金部会、経産部会と、私が座長を務める「企業・資本市場法制プロジェクトチーム」(いわゆる「公開会社法」制定検討の会)合同会議を、明日11日(金)11時から、証券取引等監視委、東証、公認会計士協会を呼んで、党本部で行う事となった。オリンパスは、調査中を理由に出席できない旨、返答があった。

 社長更迭、損失隠しのオリンパスに加え、社長・会長への多額の融資焦げ付きの大王製紙、第三者委員会の提言を無視する九州電力、など、このところ日本の代表的企業のコーポレート・ガバナンスの緩みが顕著で、自民党としても、かつて私が小委員長を務めていた会計小委、商法小委などを巻き込んで、真相究明、再発防止体制構築提案をすべきではないか、と思っていた。先日のハーバード・ロースクールでの日米金融シンポジウムでも何人かかの参加者から指摘があった。

 そうしたところ、柴山法務部会長からも同趣旨の相談があり、2人は是非合同会議を開催すべき事で一致、開催に至った。

 一体、監査法人は何をしていたのか。やはり、会計監査人の選任の仕方に問題があるのかどうか。不正を指摘した監査法人はオリンパスによって解約されていたという。また、大手証券会社OBで、オリンパスの社外取締役が「飛ばし」を指導していた、という報道もある。

 私は、かねてから単なる「社外取締役」ではなく、諸外国では当たり前に証券市場などでルール化している「独立取締役」の義務づけを唱えてきたが、やはり単なる「社外」では利益相反を排除できない事が明らかになった。外国の「独立性」の基準であれば、今回のような取締役任命は排除されていただろうか。さらには、このようなガバナンスの上場会社の株式取引を許してきた東京証券取引所は何をしていたのか。

 いずれにしても、強い日本経済の復活と着実な成長のためには、しっかりしたコーポレート・ガバナンスが不可欠のはずだ。明日の議論を再出発点とし、議論を深めていこう。

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